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Last Update:2018/9/6
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コラム 中国ビジネス噺

第3回 中国で事業を起こすときの日中文化の違い(1)

(2018年9月6日)

  読者の皆さんの中には、既に中国やアジアでお仕事を経験されている方、またこれから中国ビジネスに関わっていかれる方様々おられるかと思います。
  中国ビジネスにこれから進出しようとする方が一番最初にぶつかるのが出資形態です。勿論中国に関わらず海外どこに投資するにも、合弁形態と独資形態の二つの方法がありますが、それぞれの国の法律によって出資制限がありますので、種々条件を比較検討する必要があります。
  中国で事業を展開する場合も業種や規模に従って関係法令に従い準備することになりますが、合弁か独資かということについて簡単に比較してみましょう。
  現地の会社と合弁で会社を立ち上げるケース(中外合弁企業)では、メリットとして、①パートナー会社の販売ネットワークの活用。② パートナー会社の従業員の活用。③ パートナー会社の生産設備の活用。④ パートナー会社の福利施設(学校、病院等)の活用。等があります。
  このように、パートナー側の有形無形の資産の活用は、早期の事業立ち上げに繋がります。仮にこれらが得られない場合はどうでしょう。販売ネットワークでは新規参入で中国の商習慣の中へ割り込むにはかなりのパワーが必要でしょう。また問題は従業員です、サービス業と製造業ではやや状況は異なりますが、製造業では大きなリスクにつながります。
  製造業でパートナー無しで新規に従業員を確保することは現実にはかなり高いハードルです。例えば、労働市場(中国の職業安定所)において日本企業で働けるスキルを持った人材を集めることは、中国のものづくりのレベルから期待できないのが現状です。一方技術学校等から新人を採用して教育する方法がありますが、ある一定の年齢層ばかりに偏り、将来の組織つくりに支障が出るのは明白です。更には、中堅の技術指導者をどう確保するかが成功のポイントになります。
  次に独資で会社を立ち上げるケース(外商独資企業)はどうでしょう。メリットとして、① 出資簿価が明確。② 販売ネットワークに自らタッチできる。③ 新規開拓の従業員はパートナーとのしがらみが無い。④ 固定資産を引き継がない。⑤ 経営のスピードアップが図れる。ということになります。
  合弁会社では日本企業の出資が「現金出資」なのに対し、パートナー側からの出資が「現物出資」になることが多く、現実には簿価の評価が解り難いことが多くあります。
  お解りのように合弁形態の裏返しのようになりますが、これをクリアするには中国ビジネスに精通したスタッフ・組織つくりから始める必要があります。
  それでは、総合的に見てどちらのほうが有利か、また何をターゲットに決めていけばよいかについて次回書きたいと思います。

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