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Last Update:2021/4/15
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コラム 中国ビジネス噺

第33回 これから中国へ赴任される方へ(5)

(2021年4月15日)

   中国に赴任される場合、赴任地の中国における特徴や歴史的な位置付けについて理解を深めることは大切だと思われます。
 中国は日本の約14倍の人口を抱え、56ともいわれる民族が暮らしている国ですので、日本では想像できない程多様性に富んでいるといっていいでしょう。
 時間の感覚についても日本と大きく違う点があります。
 海外にあって日本にないのが「時差」です。これは日本との違いだけでなく国内に時差を設けている国がいくつもあります。例えばアメリカでは本土には4つのタイムゾーンがあり、東西でほぼ4500㎞ある西海岸と東海岸では3時間の時差があります。
 ところが東西約5200㎞ある中国では時差を設けずに、北京時間のみですべてが動いています。
 当然実質的な時差は3~4時間は存在しますので、北京は日が暮れても西のウルムチで日が暮れるのは3~4時間後という現象が起こります。
 実際に全国各地に営業所を開設して、上海本社から中国人社員を駐在させてみたところ、思いもかけない問題点が解り唖然としたことがあります。
 全社の営業時間は8:30からですので、ウルムチ事務所へも朝一番で上海本社から電話が入ります。しかしウルムチ事務所は外は真っ暗で実質午前4:30くらいの実態です。
実際にウルムチでの街の動きは北京より3時間程度ずらして動いているので、現地の生活は特に問題はありませんが、全土にまたがって組織があるとこのような現象が起こります。
 かくしてこの営業所の社員はまだ夜も明けないうちに上海本社からの電話が鳴り、夕方5時には上海は終了しますが、ウルムチの街は3時間遅れて動いているので、当地のお客さんは夜8時までは普通に事務所にやってくるということで、結果長時間業務に拘束されることになっていました。
 また、中国は東西だけでなく南北にも5500㎞の距離がある為、東北のハルピンと南の広州では40度近い気温差が生じます。
 マイナス20度にもなる東北の気候は、実際に行って生活してみないとわからない苦労があることがわかりました。
 当然生活するコストは温暖な地域と比べるとかなり割高になり、そもそも生活そのものが想像よりも厳しいのです。
 日本人社員では到底経験したことのない環境ですので、中国国内でのハードシップについても各企業の事情に合った工夫が必要でしょう。

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