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Last Update:2023/7/10
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コラム 中国ビジネス噺

第58回 これから中国へ赴任される方へ(30)

(2023年7月6日)

   日本からの中国渡航に関しましては、相変わらずビザ取得が原則必要となっており、以前のようなビザフリーの措置は運用停止中です。もちろん、業務出張や就労に関しては、基本的に問題なくビザが発給されています。また、コロナ前のビザの有効期間が残っている場合には、そのビザは現在も有効です。したがって、渡航する際には目的に応じた事前の手続きを確認することが重要です。
 以前にも、中国ビジネスにおいて日本と中国では信賞必罰に大きな違いがあり、日本での信賞必罰はあいまいで、中国では基本罰則主義で行われることが多いという話をしております。そのため、現在中国で赴任されている方から次のような質問が寄せられました。会社内で拾ったスマートフォンを届け出た人がいたのですが、中国では落し物がなかなか届けられないことが多い中、何か金銭的な奨励をすべきかどうか教えてほしいというものです。
 今回の件に関して、金銭的な奨励を個別に対応することは一貫性を欠きますし、他の人の場合にはどうなるかも不透明で公平性に欠けます。そのため、会社のルールとして整備し、それに基づいて対応することが良いと思われます。信賞必罰の効果を最大限に引き出すためには、タイムリーな対応が重要です。一般的な日本の社内ルールではタイムリーなルールがなかなか存在せず、半年に一度のボーナス査定で半年間の評価が行われることが多いです。
 しかし、落し物の届け出のような事例については、ボーナスの評価対象には適さない面もあります。海外で何か形にするためには、日本の常識から離れて独自に工夫する必要があります。
 日本では評価対象に適さないことでも、海外では社内の規律を守るために公的な評価を行うことが有効な場合があります。小さなミスを見逃すと「見つからなければ大丈夫」という考えが広がり、善行を放置すると「やってもやらなくても同じ」という意識が生まれてしまい、問題点が見つからなかったり、ミスの再発防止策を打つことができなくなる大きな問題につながります。具体的にどのようにルール化すればよいでしょうか。例えば、月単位の給与評価制度を導入し、評価基準に従って評価を行う方法があります。この制度は簡単に作ることができます。具体的な例としては、毎月の給与査定にプラス評価とマイナス評価を導入し、「+100元+200元+300元」「−100元−200元−300元」というように規定します。各部署は毎月申請を提出し、落し物の届け出や不良品の発見などをプラス評価し、遅刻や作業ミスなどをマイナス評価として人事部門が決定します。実際の査定にかかる手間は毎月30分程度で済みます。今回の落し物の届け出のような場合は、+200元程度で適切かと思われます。また、良い例は本人へのモチベーションの為、悪い例は再発防止の為に社内に掲示するなど匿名でオープンにすると良いでしょう。
 特に中国では「後工程」を大事にするという認識がすくないことから、善行に対する奨励を行い自ら率先して改善活動等を行う様に仕向けることは、社内の行動規範の醸成に繋がるでしょう。

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