バックナンバー一覧

コラムに関する感想
お問い合わせ
Last Update:2025/12/12
トップ中国ビジネス噺
コラム 中国ビジネス噺

第77回 これから中国へ赴任される方へ(49)

(2025年12月12日)

   
 中国進出日系企業にとりまして朗報が届きました。コロナ禍の2020年3月以降停止が続いていました日本人の短期滞在ビザ免除措置が11月30日をもって解除されました。コロナが落ち着いてから以降も日本のみが停止措置のまま据え置かれていた為、日本企業から再開を求める声が多く、日本政府も中国政府に再開を求めていたものです。また、今回の措置は人々の往来の利便性を高める為、これまで15日としていたビザ無しの滞在期間を30日に延長し、実施期間を2025年末までとしています。
 中国政府の発表によりますと、2024年7月から9月までの外国企業からの直接投資は1兆2000億円のマイナスになった模様です。また、中国進出日系企業の44%が中国への投資を縮小する方向という調査結果も出ているなど日系企業にも慎重な姿勢が続いています。こうした中、中国政府としては、短期滞在ビザ免除措置で、ビジネスマンや旅行客を増やすとともに外国企業からの投資を呼び込む狙いがあるとみられます。昨今の世界事情の変化、また中国国内の経済事情により今後日本に対する企業誘致や投資について前向きな政策が期待されます。現状でもサービス業、金融、医療関連産業は進出企業も増加している状況ですが、製造業につきましては生産拠点の問題、市場価値としての対応が難しい局面にあります。ここで、中国に駐在を継続している駐在員、またこれから中国へ駐在される方の所得税につきまして、丁度今年度末に制度変更の時期を迎えますので確認しておきましょう。
 中国では年間累計183日以上中国に居住する外国人は「全世界所得」に対して課税されることになりますが、2019年に免除規定が発令され「183日以上居住の年度が6年未満の場合」は届け出を条件に国外での所得に対する中国での課税措置は免除されることになりました。(2019年実施「6年特例」)。つまり2019年から6年間継続して中国に駐在している外国人はこの規定が適用されていることになりますので、現時点で国外給与を合算される外国人対象者はいないことになります。ただし、2025年度からは6年経過するために継続駐在期間が6年を経過した場合には「全世界所得」に対して課税される可能性がありますので注意が必要です。
 この免除措置が発令されてからコロナによる自粛政策が出されたため、駐在員を一時引き上げた企業もあることから現実的には対象者はすぐには出ないのが現状と思いますが、税法上は「全世界所得」が基本となっていますので、対応の準備はしておくと安心です。また、中国の所得税は最高45%と高いので現地の対応をご確認ください。(課税年度は1/1~12/31の暦年)

※サイトの記事の無断転用等を禁じます。


© Copyright 2002-2016 GLOVA Reserved.  
"chinavi.jp" "ちゃいなび" "チャイナビ" "中国ナビ"はGLOVAの商標です。 s