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(2025年2月13日)
新年快楽!中国の春節休暇が1月28日から始まりました。一般的には春節休暇は1月28日から2月4日までの8日間ですが、人によっては前後で調整して海外旅行する人も増えているようです。今年は日本へも多くの中国人ツアー客が訪れて各地がにぎわったのは良いことです。日本からもビザなし渡航ができるようになったのでようやくコロナ前の相互交流が復活しました。 早速、私の且つての部下も家族を連れて来日し、10年ぶりに再会することができました。 再開して驚いたのは、彼は待ち合わせの場所に大きなビニール袋を2つ抱えて現れたことです。買い物帰りなのかと思いましたが、私ともう一人の日本人同僚の為に中国からお土産を持ってきたのでした。食事の場所で彼が取り出したのは、現地で有名な「白酒」の大瓶、「黄山のお茶」「黄山の木耳」「漢方のお茶」「火鍋の素」などおそらくお土産だけで1つスーツケースが一杯になったはずです。中国では親しくなると家に呼ばれたり、食事の席に招待されるというのは良くありますが、その気合たるやいつも本格的なおもてなしを受けます。 日本人は「今度遊びに来て下さい」などといってもほとんどが社交辞令で具体的なお誘いは無いものです。気を付けなければいけないのは、日本人の言動が往々にして本音と建前が違うことにあります。日本人同士だと「阿吽の呼吸」という日本人特有の文化で察することができますが、中国人を含めた外国人との関わりの中ではとても分かりにくい文化です。 さらに、中国人は皆さんとても義理堅く、受けた恩は後で返す文化があります。招待を受ければ後日必ずお返しに招待するという事はごく当たり前に行われます。このように相手に対して義理を重んじ、お互いのメンツを立てるのは中国文化の良いところであると常々感じるところです。 最近面白い記事を見つけましたのでご紹介します。北京市の「小湘旺」という中華レストランのことですが、店の入り口に「免費吃飯」と書かれてあります。説明としてその下には「もしあなたがこの地域で仕事がなく苦境にいるならば店の店員に「39元の唐辛子肉炒め丼」を注文して遠慮なくそのままお帰り下さい。将来あなたが、助けが必要な隣人を助けることができればそれで結構です。」この店の主人は自分が田舎から北京へ上京した当時の苦労を思い出し、昨今の中国の経済事情などで失業した人を助けたことがきっかけで、店のまかないを振る舞うようになったのですが、このメニューにはない39元の料理をいわば「暗号」のようにして困った人に提供しているという話です。ここで中国らしいのは、生活に困窮していても「ただで食事をください」とはなかなか言い出せないので、そのメンツを潰さないように「暗号メニュー」を考えたことです。 ちょっと粋で良い話でした。
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