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Last Update:2025/3/13
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コラム 中国ビジネス噺

第80回 これから中国へ赴任される方へ(52)

(2025年3月13日)

   
 春節も明け3月に入りまして、先日3月8日「三八婦女節」がありました。日本ではあまりなじみがありませんが「国際婦人デー」の中国版イベントです。中国では働く女性は半日休暇をとれるルールとなっています。商店では女性向けのセールなども行われ、会社によっては女性社員を対象にイベントを行うところもあります。今年は土曜日という事もあり、皆さんの身近でも何か行われた会社もあるかと思います。さて、一方政治面では全国人民代表大会が3月5に開幕しました。目標GDP成長率は内需拡大を前提に5%前後とするなど安定成長を目指しています。しかし、昨今中国の大学生の就職率はコロナ直後「超々氷河期」と言われ「卒業即失業」と言われてきました。
 この状態の中で大学生は留年したり、大学院への進学をしたりする学生が増えているという事です。大学卒でも就職できない現実の中で中国では大学院の定員を増加するなど措置を講じているようですが、これは問題の作送りにしかならないという指摘もあります。振り返ってみますと、日本でも過去に何回も就職難の時期があり、大学院へ進む人が増えてタイミングを遅らせるという現象がありました。中国では2023年に若年層の失業率が初めて20%を超えるという状況になりました。非常に厳しい競争を勝ち抜いて大学合格を果たした先が、またもや厳しい就職難という事態になっているのが現状です。
 このような状況が日系企業の採用環境にどのような影響を与えているでしょうか。日系企業、特に製造業が積極的に中国進出を始めた90年代後半には中国政府の外資導入政策もあり外資系企業の人気は高い状況でしたが、リーマンショック以降の中国の調査によりますと、このころから学生の就職希望先として国有企業が外資企業を超えたという結果があります。また、中国の就職環境は日本と異なり転職が多いというのも特徴の一つでしょう。
 日本におきましても以前に比べて転職の機会は多くなっている現状ですが、それでも日本人の平均勤続年数12年程度に比べて最近の中国では2年程度と頻繁に転職する傾向にあります。これは就職難で希望の職種につけないことからチャンスを見て希望に近い職種へ移るという行動も影響しているでしょう。このような状況で日系企業としてどのようなリテンション施策をとるべきでしょうか。まず、雇用制度を確認しておきましょう。中国の雇用契約には有期雇用と無期雇用があり、雇用される側は有期雇用の場合には契約が更新されないリスクもあること、また更に好条件の就職先を探す目的で転職することも考えられます。
 無期雇用の条件は次の3つのケースになります。

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