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Last Update:2017/10/11
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コラム『チャイナウォール』*中国人の法意識*

 第341回 持続的経済成長のカギを握る中小企業

(2017年10月11日)

  中国の中小企業数は1,527万8,000社、個人事業主(個体戸)は4,564万1,000社ある。これら企業が国内生産総額の65%を生み出し、税収の50%を担っている。また、全従業員数の75%を抱えている。2017年の中国の民間投資は固定資産投資の61.4%を占め、民間資本は国内企業資本の60%を占めている。このように中小企業は、中国経済において重要な位置を占めている(欧廷君・亜州経営智庫総経理「産業変革時代 中小企業何以健康快速発展《企業観察報 2017年9月25日)。
  今後、中小企業がどのような発展過程をたどるかは、中国経済が持続的発展を図れるか否かを占う上でも目が離せない。
  中小企業にとって、現時点における最大の問題は、事業資金の融資を受けることが難しく、融資を受けられても金利が高いことである。産業のイノベーションが急速に進展し、新しい事業モデルが生まれる中で、これに速やかに対応しようとしても困難に直面する。国務院は、「大いに大衆創業、万人イノベーションを推進する若干の政策措置に関する意見《を発布し、中小企業の上場などや融資支援をしようとしているが、この効果がなかなか見えてこないのが現状である。
  地方政府は、民間企業よりも地方国有企業を優先しようという姿勢が抜けない。例えば、鉄鋼や石炭の過剰な生産設備問題について、中国政府は2016年から今までに鉄鋼で1億トン、石炭で4億トンを減らしたが、中央政府が各地方に削減量を機械的に割り当てたため「政治力が弱い民間企業が主な対象になった《、「高効率の民営企業の設備が淘汰され、効率で劣る国有企業の設備が残った《格好だという(日本経済新聞 2017年9月27日)。ゾンビ企業に輸血をし、健全な中小企業が血を取られているという構造に見える。
  欧廷君は、産業変革の時代にあって、各地区、各企業間の競争が熾烈になっているところ、表面上、企業は技術、製品及びブランド面で競争をしているように見えるが、実は人材競争が深刻な問題であると指摘している。このために、政府は、社会保障、戸籍制度、公共サービスなどの面で相応の政策を行い、人材資源の適正配分を促すことが必要であると指摘している。
  2016年7月25日に中小企業の発展を促進する計画として「促進中小企業発展規劃(2016-2020年)《が通知された。この発展規劃は、中小企業が抱える課題に応え、とりわけ市場経済を進める上でのレッドテープをなくす措置を採り、発展を促そうとするものである。しかし、これを本当に機能させるのはなお一層の改革が必要となりそうである。

次回は10月25日(水)の更新予定です。

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