企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

第1016回 中国の金融センター

(2022年4月28日)

 世界には多くの金融センターがあります。東京もその一つ。イギリスのシンクタンクZ/Yen は2007年以来、毎年3月と9月に各地のビジネス環境やインフラ、さらには金融業の発展水準などから総合的に評価を下し、そのランキングを発表しています。       
 直近の2022年3月「第31期グローバル金融センター指数報告」には119個所が掲示され、トップ10は[①ニューヨーク、②ロンドン、③香港、④上海、⑤ロサンゼルス、⑥シンガポール、⑦サンフランシスコ、⑧北京、⑨東京、⑩深圳]、中国からは深圳の後に広州、成都、青島など9都市の名前が載りました。これを三年前の2019年3月のトップ10である[①ニューヨーク、②ロンドン、③香港、④シンガポール、⑤上海、⑥東京、⑦トロント、⑧チューリッヒ、⑨北京、⑩フランクフルト]と比べると、東京が6位から9位にダウンした一方、上海は5位から4位へ、北京は東京を抜き9位から8位へ上昇し、また、深圳がトップテン入りを果たしています(上海はフィンテックランキングでも世界2位)。
 中国国内では、中国総合開発研究院が全国31都市の金融競争力を示す中国金融センター指数を毎年発表しています。2020年発表の第12回の結果と数値を見ると、上海、深圳、北京という全国的な金融センターに続き、広州、杭州、成都、天津、重慶、南京、武漢が、金融市場の規模では、上海、深圳、北京、広州、大連、鄭州、杭州、南京、武漢、蘇州の順となりました。
 以上名前が挙がった都市を見ると、大連から広州に至る沿海部と、南京から重慶・成都につながる長江経済ベルトの都市が占めています。今後、このような金融センターの発展は、2011年6月に発表された全国主体機能区計画で示された18ヶ所の「国家レベル重点開発区域」(冀中南・太原都市群・哈長・呼包鄂榆・東隴海・江淮・海峡西岸・中原・長江中流・北部湾・成渝・黔中・滇中・蔵中南・関中‐天水・蘭州‐西寧・寧夏沿黄・天山北坡)へと広がっていくでしょう。
 中国は改革開放以来、80年代の経済特別区や沿海経済開発区、その後の経済技術開発区や高新(ハイテク)地区、90年代の国家級新区、近年の自由貿易区と、様々な区を増やして、多角的計画的に新たな金融センターの誕生・発展を後押ししています。

次回は5月5日更新予定 テーマは<海南その後>です。

バックナンバー一覧はこちら

三瀦先生のコラム