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第1021回 デジタル経済発展政策-3-

(2022年6月2日)

 <第14次5か年計画デジタル経済発展プランの通知>では具体的にどんな2025年数値目標を掲げているのでしょうか。デジタル産業の対GDP比を10%に引き上げるほかに、ネット小売総額を17兆元(2020:11.76兆元)に、EC取引総額を46兆元(2020:37.21兆元)に、ソフト・情報技術サービス業の規模を14兆元(2020:8.16兆元)に、という経済目標のほかに、技術面では、インターネットプロトコルの規格であるIPv6活用ユーザー数を8億(2020:4.6億)に、インダストリアルインターネットプラットフォームのアプリ普及率を45%(2020:14.7%)に、ギガビットブロードバンドのユーザー数を6000万(2020:640万)に、といった数字が並んでいます。       
 上記の通知と呼応して、2022年1月16日に出版された第二期『求是』に、習近平総書記の<我が国のデジタル経済を強化し、向上させ、拡大しよう>という文章が掲載されました。その中で習近平は「デジタル経済は新たな科学技術革命と産業変革というチャンスをとらえる戦略的選択である」と位置づけています。また、同年2月の中央政治局第34回集団学習では「デジタル経済と実体経済の融合発展を推進し、デジタル化・ネット化・AI化という方向づけを明確にし、製造業・サービス業・農業などの産業のデジタル化を推進し、インターネットの新たな技術を用いて、従来型産業に対し、全方位的で、産業チェーン全体にわたる改造を行い、全要素生産性を高め、経済発展に対するデジタル技術の様々な拡大相乗作用を発揮させなければならない」と指摘してもいます。
 こうした動きの中、デジタル化は様々な分野で精力的に進められています。人民日報の記事のテーマを眺めても、このところ、都市のデジタル化、農村のデジタル化、電力ネットのデジタル化、医療のデジタル化、教育のデジタル化、行政・法治のデジタル化、環境保護のデジタル化、と枚挙にいとまがありません。中でも製造業のデジタル化は顕著で、工業企業の経営管理デジタル化普及率は2021年末で70.9%に達しています。今後は中小企業のデジタル化が急務で、政府は2022年末までに10万社以上の中小企業にデジタル化転換支援を提供し、それらの企業業務をクラウドに接続する目標を立てています。また、デジタル化は、北京・重慶・武漢など各地方単位でも急ピッチで進んでいます。

次回は6月9日更新予定 テーマは<陸のシルクロードとウクライナ問題-その1->です。

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