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 第百三回 北京オリンピックへの動き


 北京オリンピック開催へ向けた準備活動がいよいよ本格化しています。その象徴的な出来事が8月3日に発表された大会のマ−ク。1985件の応募作品から選ばれたのは、瀋陽生まれ、今年45歳になる郭春寧の<中国印−舞動的北京>と題した作品でした。「印章のようで印章でなく、"京"の字のようで"京"ではない、そして、中国文化 の味わいを十分伝えたマ−ク」という点が評価されたようです。
 今、着々と進んでいるのが、競技施設などの整備。35の競技会場の内、北京市は15の新設会場と11の改築会場を抱えています。今年の7月から2006年6月にかけ、これらの諸施設の建設が進められますが、主会場については既にコンペが行なわれ、13の応募作品の中から中国とスイスの共同設計による"鳥巣"と題した作品が当選し、水泳会場など他の3会場とともに年末までに工事が開始されることになりました。
 9月1日、<北京オリンピック市場開発プラン>がスタ−トしました。このプランは、放映権と協賛企業に関するIOCプランと、開催都市北京の市場開発プランで構 成されています。北京のプランには更に協賛と特約の2プランがあり、協賛は更に協賛企業と機材等提供企業に、その協賛企業も更にパ−トナ−と協賛に分けられ、機材等提供企業も更に単独企業か共同提供かに分類されます。そして協賛企業は今年から4年間、機材等提供企業はアテネ以後3年間 、オリンピック市場での関連分野における排他的営業権が付与されることになっていて、既に、コカコ−ラ、コダック、松下、三星など9社が賛助企業として契約を交わしています。特約プランは、北京オリンピック委員会が北京オリンピックのマ−ク、マスコット、商品マ−クを使った製品の製造販 売を許可するものですが、協賛企業や機材等提供企業に付与されたような権利はあり ません。
香港の実業家霍英東氏は北京オリンピック支援に2億香港ドルを寄付し、こう言い添えました。「かつて"東亜病夫" と呼ばれた中国が、いまやオリンピックで世界第三位の メダル大国になったことは、世界の華人に対する励ましであり、炎黄(中国文化の祖 と称される炎帝と黄帝)の子孫の誇りである。これは私のささやかな気持ちである」と。中国人にとって北京オリンピック開催の持つ意味がまさに凝縮された言葉といえるでしょう。

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