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第1041回 消費動向の様々な変化-その1-
(2022年10月20日)
2021年の中国消費は、スマート消費・グリーン消費・健康消費などの伸びも貢献して社会消費品小売総額は全体としては前年比12.5%の伸びを示したものの、三大試練(需要の収縮、供給の打撃、先行きの不透明感)もあって、その増加速度は6月には一桁に、11月には3.9%にまで落ち込みました。しかし、経済成長に対する消費の貢献度は60%を超えており、消費の下支えの強化が待ったなし。そこで政府は2022年に入ると、内需拡大戦略を堅持しつつ、あらゆる手段を講じてコロナ対策と消費促進の統合的推進を図る方針を打ち出し、3月の全人代の政府報告では、「庶民の需要に極力応え、消費意欲を増大させること」が謳われました。3月はコロナの影響が深刻で、社会消費品小売総額は前年同期比3.5%減、飲食収入に至って16.4%の落ち込みとなりました。4月、国務院が<消費潜在力をさらに解放し、消費の持続的回復を促進することに関する意見>を発出し、5方面(①コロナ情勢に対応し、消費の着実な回復発展を促す。②消費基盤を整える:品質の向上、健康・養老・託児などの消費の喚起、文化・観光消費の持続的発展、グリーン消費の強力な推進、農村消費潜在力の掘り起こし。③サポート体制の整備と消費力の強化:消費プラットフォームの健全かつ持続的な発展、就業・収入の向上、公共消費の合理的増加。④改革の深化と安全安心な消費環境の整備。消費基準システムの整備と消費者の権益保護。⑤質の高い発展を保障する措置の強化。企業に対する金融・税制面のサポート、土地・建物の保障など)にわたる20項目の措置を打ち出しました。こうした中、同年第一4半期、経済成長に対する消費の貢献度は69.4%に達し、消費に頼る傾向が一層強くなりました。一丸となって消費喚起に動く中、いくつかの新たな動きもみられるようになりました。その第一が新製品の開発で、新たな化粧品や料理用粉製品の開発が進みました。また、オンラインとオフラインの融合が加速度を増し、映画鑑賞や食事がネットで予約できるようになる一方、ショッピングセンターのサービスの多様化も進みました。そんな中注目されたのが“618”消費。京東618だけでも売上額は累計3793億元に上り、高機能家電やゲーム機が飛ぶように売れたのと同時に、ベビー服、おもちゃ、美白、日焼け止め、サマーファッション、アウトドアレジャー商品などにも人気が殺到しました。