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第1042回 消費動向の様々な変化-その2-

(2022年10月27日)

 消費スタイルの変化は様々な側面に表れています。オンラインとオフラインの融合はスマホ決済・自動販売・即時配達など先進技術による商業スタイルの革命的変化をもたらし、結果として、多様化・利便化・品質向上が進み、消費者の新たな消費スタイルも生んでいます。中でも即時配達は、ミネラルウウォーター1本でも、簡単な食材でも、緊急医薬品でも、アプリを使えば、30分から1時間以内には届きます。政府は去年、<都市15分住民サービスエリア構築指南>を通達して実在店舗とオンラインのコラボを促し、また、<商業貿易物流高度発展特別行動計画(2021-2025)>で様々な配送方法や商品受け取り方式を提案しました。さらに近年、Eコマースにライブコマースが加わったことは企業に対する強力な援軍で、これによる消費の拡大も目覚ましいものがあります。
 消費スタイルの特徴の一つが、LEDの普及も起爆剤になり、地方の都市や町で近年急速に拡大している夜間消費。浙江省のある鎮では深夜2時ごろまで70店舗ほどが夜店を出し、一日平均の客数は延べ2万人、2021年の年間売り上げは前年比3倍を超える2億元に達しました。ただ、コロナによる夜間消費のダメージは甚大で、これに変わる消費スタイルも求められていましたが、ここにきてようやく回復の兆しを見せ、2022年9月後半以降、人民日報にも夜間経済・夜間消費の発展を促す記事が次々と掲載されるようになりました。
 消費拡大のもう一つの側面が農村消費の拡大です。農村消費市場は全国消費市場の38%を占め、巨大な潜在能力を秘めています。2022年春の全人代政府報告では、「県域商業体系の構築を強化し、農村ECと宅配を発展させる」ことが謳われました。地方の中心都市に周辺の村から公共バス路線が整備されたことによる村から町への流れと、宅配物流の整備による都市から村への流れが整備され、双方向の流れができたことで、農村が消費市場として急速に拡大しつつあります。2009年に行われた家電下郷政策が10数年を経て今またお目見えしていますが、小型の低価格自動車から新エネルギー車へと中身には大きな変化はあるものの、農村が消費を喚起する切り札になっていることに変わりはありません。
 人々の消費スタイルが模倣・ブーム型から、個性化・多元化に転じつつある中、年齢・好み・地域などの違いによる消費性向のきめ細かい把握もこれからのテーマになるでしょう。

次回は11月4日更新予定 テーマは<児童教育の動向>です。

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