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第1050回 自動車業界とEVの更なる発展-その1-

(2022年12月22日)

 中国における2021年乗用車販売台数は2148.2万台(前年比6.5%増)と、3年連続下降していた状況に変化が生じ、その内、高級ブランド車は347.2万台(前年比20.7%増)、新エネルギー車は生産台数354.5万台(前年比2.6倍)、販売台数352.1万台(前年比2.6倍)で、個人消費が80%近くに達し、販売台数は7年連続世界一となりました。輸出面では、上海汽車・奇瑞・長安など欧州向けが好調で、完成車の輸出は201.5万台と前年比で倍増し、初めて200万台を突破しました。最近の中国自動車は電動化・ネット化・スマート化の傾向が加速しており、また、中国市場全体の44.4%を占める(前年比6%増)に至るなど、そのシェアを伸ばしています。
 中国の新エネルギー車の発展ぶりは顕著で、一回の充電で走行する距離は2016年の253キロから400キロに延び、燃料電池の寿命は1万時間を超え、消費者の満足度もガソリン車と大差なくなっています。そのため、中国ブランドの新エネルギー車販売台数は247.6万台と前年比2.7倍、全販売台数の74.3%を占めるに至り、輸出も31万台(前年比4倍)と急増しています。当然このような発展には充電関係のインフラ整備が不可欠で、充電ポイントは全国で261.7万か所、電池回収スポットも1万か所を突破、政府は、2025年と2040年の新エネルギー車浸透率をそれぞれ20%、40%に達すると予測しています。
 新エネルギー車の発展は経済的効果も生み、政府統計によると、その消費額は過去の累計で1.6兆元、関連産業も含めると4.8兆元に、二酸化炭素の削減量も1億トンに達するとされています。
 こうしてみると一見好調に見える自動車業界でしたが、2021年4月以降、アメリカの対中制裁、ウクライナ問題、コロナの持続など様々な要因が重なり、自動車業界は強力な下振れ圧力に直面しました。そこで、商務部は関係部門と共同で<自動車の流通を活性化し、自動車消費を拡大することに関する若干の措置>を打ち出し、新エネルギー車に関する地方の障壁を取り払い、全国的に統一された市場を形成するとともに、新エネルギー車の農村部への普及、中古市場の活性化と登記の利便化措置を打ち出しました。それらの詳しい内容はまた次回に。

次回は1月5日更新予定 テーマは<自動車業界とEVの更なる発展-その2->です。

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