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第1051回 自動車業界とEVの更なる発展-その2-

(2023年1月5日)

 自動車消費の急激な落ち込みに対応し、政府は2022年5月の国務院常務会議で、自動車取得税半減枠を拡大して600億元の減税を実行する方針を決め、期間は6月1日から12月31日まで、減税枠は従来の1600ccから2000ccに拡大することとしました(増値税を除いた一台の価格が30万元以下)。この結果、6月の販売額は前月比で37%増加、減税総額も71億元に達し、政府は減税期間の延長も思案しています。各地方でも独自の政策を打ち出しており、広東省では、自動車や家電といった大型消費、自動車の買い替え、新エネ車の購入などを促進する補助金の支給を決めています。
 農村部への新エネルギー車普及への取り組みも本格的に始まり、工業・情報化部、農業・農村部、商務部、国家エネルギー局が一体となり、5月-12月の間、山西省・吉林省・江蘇省などの三、四級都市や県・区で様々な販売キャンペーンを行うことにしました。
 中古車市場の活性化も急務で、2021年の同市場規模は1759万台と全自動車保有量の6%にも満たず、明らかに先進国レベルを大幅に下回っています。この現状を打破するため、上記<自動車の流通を活性化し、自動車消費を拡大することに関する若干の措置>では、国家第5段階排出基準をクリアする小型乗用車に関する地域を超えた流通制限を解除し、譲渡手続きやナンバープレート取得に関して便宜を図り、また、中古販売業者に対する制限を緩和して、幅広い参入を促進するなどの対策を講じています。
 取得税半減の終了に伴い、2023年の新車販売数について、ゼロ成長も含めた厳しい見方が交錯する2022年12月30日、広州モーターショーが開幕しました。そこで力を入れられたのが新エネ車の販売拡大。2022年の新車販売が前年比約2%増なのに比べ、新エネ車は90%増の670万台前後、2023年には900万台が見込まれるのですから、その意気込みも理解できます。ただ、吉利などの中国メーカー、トヨタなどの日本メーカー、その他の外資系も含め、2022年はコロナの影響や半導体不足問題など足枷となる要素も多く、各社とも今後の対応を模索している状況です。HVがいつまで主流を占めるのか、EVやPCVに関するインフラ整備や技術開発はどう進展するのか、ASEAN地域などの市場の争奪の行方も含め、2023年は大きな節目の年になると思われます。

次回は1月12日更新予定 テーマは<2022年中央経済工作会議について>です。

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