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第1052回 2022年12月「中央経済工作会議」について

(2023年1月12日)

 2022年中央経済工作会議が年末に開催されましたが、そこではどんな方針が打ち出されたのでしょうか。まず、第一は国内需要の着実な拡大を図ることで、以下の項目が挙げられました。①住宅の改善、新エネルギー車、介護サービスなど消費の回復と拡大を優先的に位置付ける。②地域間インフラの相互連結を増強する。③民間資本の国家重大プロジェクトへの参画を奨励する。④先進技術、重要設備、エネルギー資源などの輸入を拡大する。
 第二は現代化産業システムの建設を加速することで、以下の項目が挙げられました。①重要コア技術と部品の脆弱部分を是正、自主的産業システムを構築する。②新エネルギー、人工知能(AI)、バイオ製造、グリーン・低炭素、量子コンピューティングなど最先端技術の研究開発と応用を推進する。③プラットフォーム企業の牽引機能発揮を支援する。
 第三は「2つの揺るぎなさ」(国有企業の発展と強化)を適切に実施することで、以下の項目が挙げられました。①国有資産、国有企業改革の深化、国有企業のコア競争力を向上させる。②制度・法律上で国有企業と民営企業を平等にする。③民営経済と民営企業の発展・活発化を奨励・支援する。
 第四は外資を一層誘致・活用することで、①対外開放を推進し、市場参入の拡大、現代サービス業分野の開放を加速させる。②外資企業の内国民待遇を着実に実施する。③環太平洋パートナーシップに関する包括的な協定(CPTPP)、デジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)への加入を推進し、国内関連分野改革を深化させる。
第五は重大な経済・金融リスクを効果的に防止し解消させることで、以下の項目が挙げられました。①不動産市場の安定的発展を確保するため、住宅引き渡しの着実な実施、不動産業の合理的な資金需要の充足、業界再編、トップ企業の資産・負債状況の改善を行う。②「住宅は住むためのもの」という方針を堅持する。③金融リスクを防止し解消させる。④地方政府債務の増加抑制・残高解消を断固実施する。
これらをつなぎ合わせると、当面の経済不振を脱却するために内需拡大を第一としつつ、対外連携を深め、国有企業を中心に混合所有制を進化させて市場を活性化させつつ、リスクを防止し、先端技術を開発して、将来への布石を打とう。という意図がうかがえます。

次回は1月19日更新予定 テーマは<成渝経済圏の動向>です。

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