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第1055回 昨今の品質問題の動きーその2--
(2023年2月2日)
トレーサビリティシステム試行拠点は、肉や野菜では全国58都市に、また、漢方薬材では18の一級行政区に、重点生産物では4つの一級行政区に設けられ、2017年上半期終了時点で、全体の85%の試行地区が中央サイトに接続、1万5000社以上が同システムを完成させました。こうした動きを受け、2017年9月5日、<品質向上キャンペーン展開に関する指導意見>が打ち出されました。その前言では「我が国の経済発展における従来の長所は減殺されつつあり、実体経済における構造上の需給アンバランスの矛盾と課題は際立っている。とりわけ、中高級品とサービスの効果的な供給が不足し、全力を挙げて質の向上に取り組み、我が国の経済発展を質の時代に突入させることが切実に求められている」と述べています。全体の内容は6章30項にわたり、様々な製品基準を生産型から消費型・サービス型へ転換させるのと同時に、中国の基準と国際基準を極力合致させ、なおかつ、中国が優勢を占めているか、あるいは中国の特色ある生産物については、中国の基準を国際基準化することが謳われています。また第17項では、中国ブランドの確立を推進し、各産業集積地区・国家自主イノベーション新モデル地区・ハイテク技術産業パーク・国家新型工業化産業モデル基地などを重点とした地域製品のブランド化、老舗ブランドやランドマークの育成と保護を謳い、「中国ブランドデー」の活動を推進することも明記されました。2018年1月、国家品質検査総局は<三年品質向上キャンペーン(2018-2020)>を打ち出し、その最終目標が「2035年には品質強国になり、今世紀中葉には全面的なハイレベル品質強国なることである」とし、工信部などの4部門も<原材料工業品質向上キャンペーン(2018-2020)>を打ち出し、原材料の品質を向上させると同時に、一部のハイエンド製品をグローバルな供給チェーンに組み込む、とし、また、北京など36の大都市も共同で<質の高い農業を振興する提案>を打ち出し、2020年にはグリーン生産と循環生産を全国に普及させ、化学肥料と農薬の使用率は40%に抑え込み、養殖廃棄物の総合利用率は75%に、農産物品質安全検査率は98%以上にすることを盛り込みました。2018年末、製造物責任に関する最重要法律<中国製品品質法>が改正施行され、使用者と消費者の合法的な権益保護と同時に、製造者や販売者の責任も重くなりました。その後の動きはいずれまた。