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第1075回 健康スポーツ

(2023年6月22日)

 WHOの定義によれば、健康とは、体の健康、心理的健康、社会適応能力、道徳的健康のこと。政府発表では、2021年の中国全国民健康素養レベル、即ち健康に対する情報取得と正しい判断力、健康維持能力レベルは25.4%に上昇した(2012年:8.8%)とのこと
 中国は2014年に国民の健康増進を国家戦略として位置づけ、2016年には「“健康中国2030”計画要綱」を出し、2019年 7 月には<健康中国行動(2019~2030)>で15項目の重要活動を示しました。また、2021年には<全民健身計画(2021-2025)>を配布、2025年までに国民の健康をサポートする公共サービスシステムを整備し、経常的に各種スポーツに参加する国民の割合を38.5%にまで高め、県(市、区)、郷鎮(街道)、行政村(社区)の三行政レベルをカバーする公共トレーニング施設と、社区15分トレーニング圏を設け、国民千人ごとに社会スポーツ指導員2.16名を配置し、全国のスポーツ産業規模を5兆元に拡大すると宣言しました。さらに2022年には、北京冬季オリンピック、パラリンピックの成功を通して氷雪スポーツ参加者3億人を達成、併せて医療・衛生も含めた総合的な<『十四五』国民健康プラン>を発表しています。地域的側面から見ると、農村振興の一環としての体育も重要視され、2022年には<“十四五”農民体育工場発展推進に関する指導意見>が出され、施設の整備やイベントの開催などが精力的に進められています。
 教育との連携も図られています。2021年当時、国の調査データによると、小学生の6.5%、中学生の14.5%、高校生の11.8%、大学生の30%が肥満・近視・脊柱湾曲など様々な健康問題を抱えていることが分かりました。政府は2020年9月に<体育と教育の融合を本格的に進め、青少年の健康的発展を促進する意見>を出し、8方面37項目の具体的な措置を提起しました。これにより、カリキュラムの中に体育科目が大幅に取り入れられ、各学校が特色ある種目に取り組むなどのケースが各地で見られました。
 2023年1月、改訂<体育法>が施行されました。その第7章には新たに体育産業という項目が加えられ、全面的に体育産業の振興を図ることが謳われました。体育産業には「体育+」形式を通して観光・文化・教育・介護などと提携し、経済・社会の発展にとって重要な原動力となることが期待されています。

次回は6月29日更新予定 テーマは<都市整備の話題あれこれ>です。

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