企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

第1077回 都市整備の話題-その2-

(2023年7月6日)

 まず、「都市化」という側面ですが、その中で特に重要視されているのが、県レベルの都市の弱点を克服し、新しい都市化を進めようというもの。コロナ騒ぎが起きる前の2019年末、県レベルの都市は全国で1881、常住人口は約2億4千万人(全国都市常住人口の30%)、経済規模はGDPのほぼ4割を占め、内需拡大の戦略拠点と位置付けられていました。第13次5か年計画期間中(2016-2020)に全国で1億人以上が都市戸籍を取得し、その多くが県レベルの都市にもなだれ込んでいるからです。
 2020年、国家発展改革委員会は<県城の進展を加速させ、欠点弱点を克服する活動に関する通知>を通達しました。当時の県レベル都市住民の個人平均消費支出はそれ以上のレベルの住民の3分の2に止まり、これを克服しなければ、国内消費の力強い成長は望めません。そこで<通知>は四大領域と17項目の建設任務を提起しました。四大領域とは、①公共サービス施設の拡充(医療・教育・福祉・行政サービスなど) ②環境衛生施設の拡充(ゴミ無害化処理・汚水集中処理・公衆トイレなど) ③市行政公共設備の拡充(交通インフラ・地下パイプライン・配送網・高経年団地改修工事・スマート化など) ④産業育成インフラの拡充(インダストリアルプラットフォーム関係設備・コールドチェーン物流・農業交易市場など)で、こうした拡充を目指す一方、5つのタブーも提起しました。すなわち、①地方債務リスクの発生 ②放漫な資金投入 ③中途半端なプロジェクト ④むやみな取り壊しや建築 ④巨大建築あるいは洋風建築で、これらのタブーは以前からもたびたび指摘されていたものです。こうした動きは2021年以降も大きなうねりとなって各地に広がっており、2021年5月、河北省は上述の内容を取り込んだ、県城建設レベルアップ3年計画(2021-2023)7大特別キャンペーンを開始しています。
 こうした一方で、メガシティの高度化も進んでいます。その典型が北京市で、2019年、党中央・国務院は、北京副都心建設に関する詳細なプラン(2016-2035)を発表しました。これは、通州を中心に副都心を建設し、雄安新区と両翼を構成するもので、中心地域は155㎢、周辺地域を含めると900㎢を超える一方、人口は130万人以内に抑制、緑に囲まれ住みやすく、文化的な防災都市、スマート都市のモデルを築こうとしています。

次回は7月13日更新予定 テーマは<都市整備の話題-その3->です。

バックナンバー一覧はこちら

三瀦先生のコラム