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第1092回 製造業の動向-その2-

(2023年10月26日)

 産業チェーンでは、一部の産業でコア技術が外国の手にあり、時にチェーンが寸断される恐れがあること、ブランド・技術・重要資源、さらには市場での優勢を足場にした産業チェーンの支配力・影響力がまだ未完成であることが指摘されました。そのうえで、まず第一に、産業チェーンの断裂部分をしっかり補い、海外にあり、代替が利かないコア部分を重点的に研究開発することが必要である、としています。
 翌2020年末の中央経済工作会議でも引き続き産業チェーンの自主コントロール能力の強化と補強が叫ばれました。そして、長所を伸ばす主要ターゲットとして、①5G、通信設備・紡績・家電といった有力産業にフォーカスすること、②人工知能・通信設備・軌道交通・原子力発電装備・工作機械などのコア技術の競争力を高め、国際競争の武器にすること、③従来から優勢だった産業のスマート化を進め、製品の付加価値を高めること、④、国内でコア技術の課題を解決し、知財権を持ちながら未だ市場での実績のない重大技術装備には国内市場を有効に活用し、事前に市場支持を提供し、中国の巨大市場効果で産業の質を向上させ、絶えずミドルレンジ・ハイエンドを目指すことを掲げました。そこには、完全な設備とその中核部品、制御システム、基本材料、ソフトウエアシステムが含まれます。
 こうした中、製造業はデジタル化へのモデルチェンジが急速に進みました。中国信息通信研究院によると、インダストリアル・インターネットによって生まれる経済的影響規模は、2017年の5010億元が2020年には24850億元へと飛躍的に増加しています。例えば、重慶市では2020年当時に197社のインダストリアル・インターネットサービス企業が集結、5万社余りにクラウドサービスを提供するようになりました。2021年からの第14次5ヵ年計画でも、産業基礎の高度化や産業チェーンの現代化、並びに製造業の競争力強化と質の向上が謳われています。
 2022年12月、工信部は、国家レベル先進製造業集積地が45に増えたと公表しました。内訳は新世代情報技術13カ所、ハイエンド設備13カ所、新エネルギー及びスマート自動車3カ所、新材料7カ所、バイオ医薬及び先端医療機器5か所、消費品4か所で、地域別では、東部地区30カ所、中部地区8カ所、西部地区5カ所、東北地区2カ所で、京津冀、長江デルタ、珠江デルタ、成渝地域に3分の2の30カ所が集中しています。

次回は10月26日更新予定 テーマは<>です。

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