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第1106回 福建省の発展と台湾-その1-

(2024年2月8日)

 台湾の総統選挙で頼清徳氏が勝利し、5月に新総統に就任することになりました。これに対する習近平政権の対応に注目が集まっていますが、中台間の最前線と言えば福建省、台湾との経済交流で近年発展著しい同省の現状と中台関係で果たす役割に目を向けてみましょう。
 福建省が習政権になって急速に発展した理由の一つは、習近平の地方赴任時期が最も長かったのが福建省であり、2017年に習近平第二期政権がスタートした以後、福建省時代の多くの部下が腹心として中央に登用されていることからもその絆の深さが窺われます。中央からの積極的な後押しを受けた福建省はまた、中台の架け橋、長江デルタと珠江デルタの架け橋という東西と南北の物流の十字路としても、発展する要件を十分に備えていました。また、リアス式のその海岸は、以前は各半島の先端まで突き出た高い地形が各港湾を隔絶させていましたが、近年の交通インフラ整備でトンネルが開通し、鉄道・高速道路が開通、港湾整備も進んで、省全体がアジアの一大物流拠点へと変貌し、一帯一路構想とも連結して、様々な陸海通道が機能し始め、自由貿易区も各地に設置されるようになりました。
 2012年の習近平政権発足時、福建省のGDPは2億元にも満たなかったのですが、その後、年率9.1%の成長を遂げ、2018年には3.58億元に成長、その間、ハイテク産業は1528社から3800社へと急増、デジタル経済規模は1.42億元に達しました。こうした中、福建省を代表する都市として、福州市、甫田市、泉州市、厦門市などがそれぞれの地域の核として新たな発展を牽引していきました。例えば、厦門港は沿海航路の母港として、その無人化された最新スマート埠頭は月間百万ケースのコンテナを扱い、産業のデジタル化とデジタル産業が急ピッチで発展しています
2022年8月、新たに、福州-厦門間の高速鉄道が開通しました。全長277.42キロ、時速350キロの同鉄道は、途中、湄洲湾・泉州湾・安海湾に架けられた海上大橋を通ります。これにより、福州-厦門は1時間交通圏を、厦門・泉州・漳州は半時間交通圏を形成するようになりました。福州市は習近平が市委員会書記をしていた時代があり、自ら<福州市経済社会発展戦略構想>を立ち上げたことでも知られています。2022年9月には福州市江陰港駅から、“閩都号”中国-ラオス鉄道国際貨物列車が発車し、東南アジアや南アジアとを結ぶ一帯一路を支える新たなルートが出現しました。

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