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第1145回 循環経済の発展-その1-
(2024年11月21日)
胡温政権時代の200年春頃、環境汚染が深刻になった中国で、日本のリサイクル技術に関する技術に関心が高まり、都市は立派な鉱山と考える日本の取り組みとその技術に対する関心が急速に高まり、人民日報にも詳細な紹介記事が掲載されたものでした。その後、習近平政権が成立すると、2010年代中頃から循環経済という言葉がしばしば目に付くようになり、都市を中心にしたごみの分別も試行錯誤を繰り返しつつ格段に整備されてきました。こういった傾向は2020年代に入っても加速度的に発展しています。一口にゴミと言っても様々ですが、まずもっとも身近な生活ゴミから見てみましょう。
例えば、2021年ごろから雲南省の大理市では、フランチャイズ方式で委託された企業が20台余りのゴミ収集車を使い、わずかな運搬料で、ホテル、レストラン、学校、病院などから残飯を回収、メタンガスの生産や農業用有機肥料の製造に再生するようになりました。
これまでゴミを道端や川べりなどに投棄していた安徽省黄山市では、これを改善するため、2016年に初のゴミ交換市を開催、使用済み電池5個かたばこの空箱60箱で塩一袋、ペットボトル10本で歯ブラシ一本と交換できるといった制度を構築、その後、「生態美スーパー」と名前を変え、発展させてきました。ひと月の運営費用は約4000元。従来の不法投棄されたゴミの清掃や回収にかかる手間が省け、なおかつ資源の再生になるのだから、十分採算が取れるわけです。
スマート技術を用いてゴミの分類回収を効率化しようという取り組みも始まっています。浙江省紹興市上虞区では、2020年に浙江大学などと協力して、上虞区生活ゴミ分類管理学院を設立し、生活ゴミを処理する各プロセスに対し系統だった研究を進め、スマート技術を用いてゴミの分別精度を高め、再資源化を図っています。そして、協力した住民にはポイントが賦与され、プラットフォームに登録されます。
2010年代末期から2020年代初めにこうした取り組みが普及していった結果、2022年末には、全国297の地級市以上の自治体で、団地のゴミ分類方式普及率が82.5%に、2024年には92.6%に達してました。2025年には100%達成が見込まれています。最先端都市上海では2022年時点ですでに住民居住区全体の95%に達しています。
次回はさらに詳しく見てみましょう。