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第1149回 広西チワン族自治区の発展-その2-

(2024年12月19日)

 この間、中国とASEANの間では様々な動きが進展していましたが、その一つが「中国-東盟情報港」で、デジタル技術や情報通信技術を基盤とした情報のハブを建設し、両者の間のデジタル経済の発展を図ろうという趣旨に則り、高速インターネットやデータセンターの建設、電子商取引・デジタル貿易などが推進され、これに合わせて、2021年までにASEANに向けた12本の陸上ケーブルやASEAN絡みの3本の海底ケーブルも開通しました。その過程で広西チワン族自治区が重要な働きをしたことは言うまでもなく、それにつれ経済は目覚ましく発展し、GDPは、2012年18全大会時の1兆1300億元余りから2022年20全大会前の2兆4700億元余りと10年で倍増以上になり、都市住民の可処分所得は21,243元から38,530元に(1.81倍)、農村住民の可処分所得は6,008元から16,363元に(2.72倍)増え、都市と農村の所得格差も3.54倍から2.35倍に縮小しました。


 2022年7月、第12回汎北部湾経済協力フォーラムが同区の南寧で開催され、アセアン諸国の商工界は<環北部湾経済協力区商工界汎北部湾国際玄関港共同建設南寧イニシアチブ>を共同で発表、併せて貨物航空輸送路、海陸複合国際貨物鉄道輸送幹線ルートなどの開通セレモニーも挙行されました。2022年からスタートしたRCEPと連動してこの地域の産業チェーン、供給チェーンを築いていこうという動きが明確に示された、と言えましょう。同年、RCEP加盟国の中で西部海陸幹線ルートを通じて貨物を輸送した国は13カ国に達し、同ルートは海へ出る物流と、陸のシルクロードに向かう物流とが行き交う大動脈に成長しています。 


 海陸を繋ぎ、ASEANと連結する広西チワン族自治区の動きは、東隣りの広東省との連携を否応なくアップグレードさせています。広東省は、「粤港澳(広東、香港、マカオ)大湾区」、「深圳先行モデル区」の建設、横琴・前海両合作区の建設、さらに<世界に向けた粤港澳全面協力を本格化させる広州南沙総合プラン>を、広西チワン族自治区の北部湾経済建設や西部海陸幹線ルート建設とドッキングさせ、湛江港のハブ機能を強化し、ともに北部湾の玄関としての港湾機能を高め、北部湾都市群のハイグレードな発展を目指そうと目論んでいます。もうすぐ<北部湾都市群建設“十四五”実施方案>の成果が問われる時期になり、海南省も含めた二省一区がいかにその答えを出すかが注目されます。  

 

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