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第1154回 スマート家電の発展

(2025年1月23日)

 2019年の中国家電消費市場は9,000億元に迫る大市場でしたが、コロナなどの影響でその後低迷し、2021年になってようやく9340億元と、コロナ前の水準に戻りました。景気の低迷が続いている状況を打破しようと国内消費喚起の切り札の一つになったのが家電買い替え政策。「グリーンでスマート」をキャッチフレーズに、2021年ごろから関連記事が急速に増えてきました。同年9月15付人民日報<小家電が大市場を刷新>記事で、小米幹部は「スマート技術は小家電製品の世代交代を加速させるだけでなく、それらを家庭家電の全体的システムに組み入れつつある」と述べています。


 翌2022年7月、国務院常務会議は全国的に家電の買い替えと「家電下郷」の展開を提起し、商務部など13部門が<緑色スマート家電消費促進に関する若干の措置>(9条の具体的措置)を打ち出しました。家電をスマホやタブレット端末と接続すると遠隔操作が可能になり、利便性が格段に高まると同時に、暮らしやすさにも直結します。AIとIoTを使ったこうしたスマート家電が家電消費の新たな主役に躍り出ました。


 2022年、家電業界の利潤総額は前年比19.9%増の1.75兆元で、中・高級品への買い替えが顕著になりました。エアコンや洗濯機のほかに、食洗機・洗濯乾燥機・総合型コン・掃除機などの市場も拡大しました。スマート家電も、2021年の約5500億元が2022年には約6500億元、2023年には7300億元と順調に成長しました。しかし、その一方で、2023頃になると、スマート家電に対する不満も漏れてきました。例えば、家電によってメーカーが違うと、それぞれにアプリをダウンロードしなくてはならず、煩瑣である、といった苦情が出始めました。こういった課題は今後一つ一つ克服しなければなりません。2023年頃には「スマート家電からスマートホームへ」という動きも活発になりました。同年6月までにファーウエイのスマートホーム専門店は全国で200軒を超え、5800件ものスマート製品がスマートハウスに組み入れられています。


 2024年9月に開催されたベルリン国際消費電子展示会には中国からハイアール、ハイセンス、TCL、メディア、オナーなど400社以上が参加し、それぞれ独自の意欲的取り組みを紹介しました。青島では関連企業2200社が52の国レベル開発集団を組織し、ハイエンド化・スマート化・シナリオ化へと邁進しています。

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