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第1195回 20期四中全会の評価-その2-

(2025年11月13日)

  第一四半期5.4%、第二四半期5.2%、第三四半期4.8%とは、言うまでもない、このところの中国の実質GDPの伸び率の変化で、急速な減速はだれが見ても明らか。これに対し、第15次5ヵ年計画の大綱の経済関係を見ると、第一に掲げられたのが、現代化産業体系の構築と確固たる実体経済の土台作りで、そこから、今の政府が考えている現代化産業体系とは何かがおのずと浮き上がってきます。第一に掲げられたのが、スマート化、グリーン化、融合化で、これはお題目としては中国に限りませんが、スマート化では、スマートシティ、スマート農村の構築は当然のこと、中小零細企業のスマート化にも最近力を入れていれています。国内大循環のみならず、グローバルな大循環に多くの中小零細企業を組み入れることは、経済の足腰を強くするだけでなく、雇用の増大にも資するもので、護送船団式の育成・奨励が盛んに行われ、司法面での援助も強力に進められています。グリーン化については、ここ10年余り、習近平政権の下、カーボンニュートラルへ向けた政策が積極的に進められているのは周知の通りです。


  今回目に付くのが、製造強国・品質強国・宇宙強国・交通強国・ネット強国という言葉の列挙です。勿論、これらの言葉は第14次5ヵ年計画にも見られ、<中国製造2025>というスローガンの下、具体的な10大領域も示されました。その継続・延長であることは言うまでもありません。<中国製造2025>は、経済の低迷から、スローダウンせざるを得なくなりましたが、分野によって様相は異なり、AIやロボット関係、宇宙関係装備、更にはEVなど、世界の最先端に躍り出ている分野も少なくありません。


  こうした状況を背景に、今、政府が考えているのが、先進的製造業集団の発展であり、中国国内の地域発展とリンクして各地に拠点を設け、一帯一路ともシームレスにつながり、国際基準の主導、ブランド構築を柱に、新興産業・未来産業の育成につなげていこうという動きが垣間見られます。また、新エネルギー・新素材・航空宇宙技術・低空経済などはこれらの動きを支える重要な柱となる分野で、国を挙げた研究教育体制の整備がしゃにむに進められている所以でもあります。  

 
 

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