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 第百二十一回 ボランティア活動


2003年、8月31日、北京の中華世紀壇に、300名あまりの大学生ボランティア代表と 北京の大学の学生ボランティア1000名が集まり、2003年全国大学生ボランティア西部計画出陣式が挙行され、<西部へ行こう!>の歌声が高らかに鳴り響きました。 中国のボランティア活動は、1994年の中国青年ボランティア協会の発足に端を発します。この10年で、省レベルで35の協会が成立、"社区"(最近の中国の新地域コミュニ ティ)青年ボランティアセンタ−3万ヶ所、登録ボランティアは420万人に達しまし た。ボランティアに登録した人の動機は「環境汚染と生態環境破壊にいたたまれず」 /「妻が長年重病で、看護が大変だったが、ボランティアに助けられ、妻の遺言で」/「サ−ズでわが国の公共システムの薄弱さと仲間の努力を見て」など様々です。 (2003、12、5付人民日報)
2003年にサ−ズが発生したことは、中国のボランティア活動に大きな意識変革をもた らしました。まず立ち上がったのは青年ボランティアたちで、全国で無慮一千万人に 達したとも言われています。この奉仕と助け合いの体験は、若者たちに自分の存在価 値を知らしめ、社会的責任を遂行する喜びを教え、国民としての意識に目覚めさせた 点で大きな影響を与えました。このような活動をより一層サポ−トすべく、行政側も既に5省が青年ボランティア活動に関する地方立法を行っており、その位置づけ、役割、権利義務、組織などを明確に規定し、法的な裏づけを与えました。
現在、全国レベルでは、<大学生西部ボランティア計画><青年ボランティアリレ— 貧困扶助計画><青年ボランティア西部コンピュ−タ要員養成計画><"母なる河を守ろう!" 青年ボランティア"緑色"(環境保護)行動キャンプ計画>、更には"社区"における活動、災害救助活動などが、また地方でも、江西省の青年消防ボランティアや 江蘇省の麻薬撲滅ボランティアなど様々な活動が繰り広げられています。ただ、中国のボランティア活動は歴史が浅く、社会的な認知度が依然低く、資金も大幅に不足しています。また、大学生の西部地区への貢献を奨励する運動では、大学生の就職難解 決策という本音も見え隠れし、万が一にも、文革後に御用済みになった紅衛兵たちを辺境に追いやって悲惨な目にあわせたあの悪夢を再現しないよう監視の目を光らせることも大事でしょう。

三瀦先生のコラム