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 第百四十八回 考古学の重大発見-この1年


恒例の全国十大考古新発見の2003年版が今年も4月に発表されましたが、それも含め、興味あるニュ−スを拾って見ましょう。
まずは古いところから。2003年10月に、北京東胡林遺跡で人骨が発見されたことが報じられました。専門家は3万年前に北京原人の跡に出現した山頂洞人から1万年前までの空白を埋める大発見と見ています。
次に甲骨文片関連ニュ−ス。昨年のコラムで、山東省大辛庄遺跡での発見を紹介しましたが、今年また新しいニュ−スが入ってきました。現在発掘調査中の陝西省周公廟遺跡で発見された西周時代の王陵と推測される14の最高級大型墳墓で、最近700片あまりの甲骨文片が発見されました。そこには解っただけで350文字あまりが刻字されていて、“周公”という文字が5回も出てきており、考古学関係者の興奮を呼んでいます。
竜山文化を中心とする遺跡である山西省陶寺城址は、1980年代の発掘でその壮大な規模が明らかになり、この遺跡こそかねてから伝説上の五帝の一人に数えられる帝尭陶唐氏の都、平陽であろうと推定されました。今回の第2期発掘では、暦を観測する天文台と見られる遺跡が発見され、大変注目されました。<尚書・尭典>の記載に拠れば、尭の時代は天文暦法が非常に発展した時期であり、これが裏付けられれば、暦の観測という事実を4000年以上前まで遡らせ、中国の古代天文学研究に大きな貢献をすることになるでしょうし、中華文明起源論にも一石を投じるでしょう。中華文明の起源に関しては、2004年3月、湖南省高廟文化遺跡で出土した7400年前の陶缶に最古の鳳凰の図案が描かれていた、というニュ−スが伝わり、鳳凰誕生の謎に貴重な資料を提供しました。
 その他、トピックス的に拾うと、1月には、長沙走馬楼で漢の武帝時期を知る貴重な手がかりとなる竹簡1万枚余りが発見された、と伝えられました。2月には、漢の長安城長楽宮で多くの壁画の残がいが発見され、中国古代美術史上欠落していた漢代壁画の空白を埋める発見となりました。また、陝西省粛成院遺跡で発掘された仏足石の銘文が玄奘三蔵の直筆であることがわかり、三蔵がインドから仏足の拓本を持って帰る途中作られたものであることが判明、大いに人々のロマンをかきたてています。

三瀦先生のコラム