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 第171回 問題山積の中国サッカー界−その2−

2004年2月、中国サッカープレミアリーグ委員会が上海で成立、一部リーグ(“甲A”)と2部リーグ(“甲B”)は再編成され、12チームによるプレミアリーグが発足しました。不振がつづく中国サッカー界起死回生の一手として大いに期待されましたが、参加12番目のチームの選出を巡ってなんとスタートからおおもめにもめてしまいました。長春亜泰クラブが、「遼寧中誉クラブがリーグ参加申請に際し提出した土地使用権証書と建物使用証は虚偽である」と指摘し、リーグ委員会は一方でその事実を認めたにもかかわらず、遼寧中誉クラブの参加はそのまま認め、長春亜泰クラブを下部リーグにとどめたからです。
リーグが始まると今度は試合が大荒れ。5月30日のプレミアリーグ初のダービーマッチ(上海申花−上海国際)はレッドカード・イエローカードが入り乱れてファウルは50を数え、選手が審判を取り囲むなど試合はメチャクチャ。10月に入ると様相は一層危機的になり、10月2日には北京現代が瀋陽金徳とのゲームで審判の判定に抗議して、11年間のリーグ史上初めて試合を放棄、裁定委員会は北京現代に30万元の制裁金を課しました。しかし、その後、24日にはまた大連実徳が瀋陽金徳戦で判定に抗議して試合を放棄、その他、ファンによる審判への暴行・試合中の乱闘なども相次ぎました。
中国サッカー界のここ数年の腐敗振りは目を覆うばかりで、八百長試合・審判の買収などが相次ぎ、地下賭博が盛んに行われ、ドーピング疑惑も頻発。ファン離れが進む中、危機感を持ったプレミアリーグのオーナーたちは10月26日、サッカー協会側と協議を行い、関係各方面のメンバーによる改革深化工作小組を発足させました。12月13〜15日に行われた会議では、プレミアリーグの競技管理体制や経営体制の改革について意見が出されましたが、運営上の利益分配を巡る協会側とオーナー達の疑心暗鬼が続く限り、「正常化は絵に書いた餅」と言う声も。
11月15日の人民日報は、国外サッカー管理体制紹介シリーズ(三)<日本プロ化10年、アジアに冠たり>と言う詳細な記事を掲載、日本の成功経験に学ぶよう呼びかけました。オリンピック予選の敗退・アジアカップでの敗戦と試練が続く中国サッカーですが、徹底的に膿を出して、いつの日か中国・韓国・日本鼎立の黄金時代を築いて欲しいものです。

三瀦先生のコラム