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 第266回 最近の環境政策を巡って−その1−

(2007年2月19日)

2006年6月、国務院から<中国の環境保護(1996−2005)>が発表されましたが、急速な経済発展につれて環境破壊も激化、その対策が迫られていることは周知の通りです。
2006年8月26日の全人代常務委員会第3回会議で、盛華仁副委員長が環境保護法実施情況追跡調査報告を行いました:「固体廃棄物累積残存量80億トン、占拠面積200万ムー以上。都市の生活ゴミ処理率50%以下、うち15%は無害化処理基準未達成。2005年全国排水排出量524億トン、前年比26%増、全国河川水質観測点の3分の1が“劣5類”の水質。全国40%の都市の空気が国家2級基準以下。2005年の硫黄酸化物排出量は2549万トンで環境容量の倍以上。国土の3分の1で酸性雨」。同年6月の<2005年中国環境情況広報>:「全国の耕地減少面積36.16万ha。水分と土壌の流出面積356万k㎡(国土の37.1%)、流出土壌50億トン」。同年9月の環境保護総局<2005年国家都市環境管理と総合対策年度報告>:「全国の都市生活汚水集中処理率29.4%、集中処理率ゼロ178都市」。
2006年上半期、全国主要汚染物排出総量は減るどころか、化学的酸素放出量と硫黄酸化物がそれぞれ前年比4.2%・5.8%増加するなど悪化の一途を辿りました。単位GDPのエネルギー消費も第11期5カ年計画全体で20%の削減目標に反し、2006年上半期は0.8%の上昇に。こういった情況の中で政府はどう対処しようとしているのでしょうか。
2006年2月14日、<科学的発展観を実行し環境保護を強化することに関する国務院の決定>が公布され、汚染排出による水や空気の悪化・自然破壊による生態環境の悪化を踏まえ、早急に解決を要する七つのポイントを指摘、環境保護のメカニズムの確立を呼びかけました。同月20日には汚染排出企業を庇うなどの行政担当者の違法行為を厳重に取り締まるべく、<環境保護法律紀律違反行為処分暫定規則>も打ち出されました。
同年4月17日、温家宝首相は第6回全国環境保護大会で環境友好型社会の建設を呼びかけ、経済重視環境軽視を双方重視に、経済発展に対し環境保護が遅れている情況を併走情況に、行政手段にのみ頼っていた環境保護を法律・経済・技術を巻き込んだ総合的なやり方に転換する“3つの転換”を提唱し、具体的に4つの任務と8つの措置を示唆しました。
ではこういった情況と方針の中で、具体的にはどんな対策が行われているのでしょうか。

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