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 第305回中医学界の動向−その2−

(2007年12月10日)

中医薬発祥の地は中国。しかし浙江省中医学院連建偉教授は「日本は中国の“六神丸”から“救心丸”を、韓国も中医薬を基に“牛黄清心丸”を作った。日本が医療保険の対象としている漢方製剤147のうち張仲景の『傷寒論』や『金匱用略』によるものは72もある。然るにわが国では僅か6つのみだ」(人民日報2007.3.14)と指摘しています。
最近、様々な工夫が始まりました。2007年6月には、<中薬農業基準化国際研究討論会>で70名余りの専門家が、原料となる植物の環境汚染を阻止し世界に漢方薬の安全性を保障しよう、とGAP(適正農業規範)事業の加速を呼びかけ、河北以嶺医薬研究院は、薬材の細胞壁を破壊して漢方薬の服用効果を飛躍的に高める超微粒子化に成功しました。優れた研究者の育成も緊急課題で、河南省の宛西製薬会社は500万元を出資、2007年から5年間で国内10箇所の中医薬大学1000名の優秀な大学院生に張仲景奨学・助成金を支給し、賞金20万元のコンテストも毎年開催することにしました。様々な病気治療の研究も進んでいます。2003年にスタートした<国家中医中薬エイズ治療プロジェクト>は2004年に河南省など5省を治療実験地区とし、2006年には14省、治療患者6000人以上に拡大、西洋医学との協力を積極的に進め効果を挙げています。このほか、慢性患者2000万人というB型肝炎の治療や中期晩期の癌患者の治療に対する治療効果も注目されています。
今、政府が特に力を入れているのが海外における認知度を高めること。アメリカではすでに42州が中医の合法化と医療保険の適用を認め、FDA(アメリカ食品薬品管理局)は2007年、中医薬学を独立した科学体系として認定しました。中医薬の英訳化は5700語に達し、更に10000語を目指し、また、日本語やフランス語など他言語への翻訳も進んでいますし、国家中医薬管理局は海外での中医薬に対する信頼度を高めるため、2007年から非強制性の『中医薬類専業技術者出国者資格認定管理規則(試行)』を実施しました。
2007年4月、第一回中医薬国際貢献賞が発表され、“オーストラリアの中医の父”と呼ばれている林子強やアメリカで針灸の普及に貢献したDavid Molonyら3名が受賞、8月には、2008年9月にロンドンの大学に世界初の中医孔子学院を開設することが決定されました。こうした地道な努力は今後徐々に成果を上げていくだろうと推測されます。

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