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 第326回知的財産権問題の現状−その1−

(2008年5月12日)

2006年は知財権侵害取締りが大幅に強化された年といってよいでしょう。8月末までに全国50箇所に設置された知財権通報センターには“12312”のホットラインと<中国知財権保護ネット(www.ipr.gov.cn)>が設けられ、11月までの3ヶ月で計1014件の通報があり、24000件の相談を受け付けました。政府による積極的な取り締まり活動も鳴り物入りで展開され、2006年7月からは『反海賊版百日行動』が、同年末からは『知財権保護・反海賊版毎日行動』が、また、同年9月から2007年1月にかけては『ネット上著作権侵害特別取り締まり』も実施されました。
こういった流れの中、2007年は知財権侵害の摘発と処罰の更なる強化が積極的に図られました。春と夏には大規模な『ポルノ・違法出版物取締り活動』が展開されましたし、最高人民法院は1月11日に<知財権裁判を全面的に強化し技術革新型国家を建設するために法的保障を提供することに関する意見>を通達して、各裁判所に対し、罰金を強化し損害賠償をしっかり履行させて再犯能力を削ぎ、且つ被害者に十分な補償がなされるよう努めることを求め、また、同年4月5日には海賊版の数量に関する規定をより厳しくし、500枚以上の複製は刑法第217条の「その他の重大な事由」(3年以下の懲役など)に該当するとしました。
4月2日、政府は<2007年中国知財権保護行動計画>を発表、立法面では14の関連法規と七つの司法解釈及び指導意見の整備を、法の執行面では反海賊版など14の特別取締り活動と11の日常的取締りを、裁判面では8つの措置を講じて技術革新力と知財権創出力の保護を、体制作りでは、8方面で46の措置を採って取り締まり体制の強化を図るなどの総合的な方針を打ち出しました。
これに伴い、国家知財権局は同日、<知財権保護と行政による法執行業務の強化に関する指導意見>を各一級行政区の知財権局に通達して、①知財権支援システムの確立 ②知財権の法執行責任システムの健全化 ③各地の知財権局の協力体制の整備 ④知財権の法執行に関するインセンティブメカニズムの構築 ⑤法的保護に関する情報の公開と交流システムの整備といった5項目にわたるシステム整備の方針を打ち出しました。
この続きは又次回に。

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