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 第340回ネット事情あれこれ

(2008年8月25日)

2007年、中国インターネットユーザーは7300万人増加(年増加率53.3%、1日平均20万人)して2億1000万人に達し、首位のアメリカを抜くのは時間の問題と言われましたが、2008年7月24日に中国インターネット情報センターが発表した<第22回中国インターネット発展状況統計報告>によれば、同年年上半期には4300万人増加して2億5300万人と一躍世界のトップに躍り出、ブロードバンド使用者も2億1400万人に達しました。インターネットユーザー数は1億を越えた2005年から2年間で倍増したことになります。ただ普及率から言うと、アメリカ69.7%、日本68.0%などと比べてまだ16.0%にとどまり、世界平均の19.1%をも下回っています。
2007年の統計内容で注目に値するのが農村における普及でしょう。同年増加者に占める農村ユーザーは2917万人と4割近くを占め、年増加率は127.7%、総ユーザー数も5262万人に達しました。中国の農村は90年代後半からの村々通プロジェクトで、各村に自動車道路・電気・電話などの通信手段が普及し、それが2005年以降の広大な農村消費市場出現の起爆剤になりました。また、昨年の春節ごろからは、年末の助け合い運動の救援物資が食糧や医療から一斉にテレビへシフトしましたが、インターネットユーザー数の急激な増加はこれらの動きに続くものとして大いに注目されます。
広大な農村市場に対しては、政府が率先して音頭を取って<万村千郷プロジェクト>を展開し、現時点で全国の6割以上の農村にスーパーチェーンが普及、商品の売込みが激化していますが、そういった中で、テレビやインターネットの普及は広告業界にも発想の転換を迫るものとなるでしょう。既に全国で恒常的にネットショッピングをしている人の数は3000万人に達し、26%のユーザーがネットショッピングを体験しています。農村ネット市場はいよいよ現実味を帯びてきたと言えましょう。
インターネットの使用目的ランキングは①音楽(86.6%)②インスタントメッセージ(81.4%)③テレビ映画(76.9%)④ニュース(73.6%)⑤検索エンジン(72.4%)⑥ゲーム(59.3%)⑦メール(56.5%)となっており、2007年以前はトップだったメールの凋落が目立っています。

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