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 第356回焦眉の急!農村政策−その2−

(2008年12月15日)

17期3中全会の<農村の改革発展推進に関わる重大問題に関する中共中央の決定>は、第3章で当面農村で確立すべき制度として以下の6つを掲げています。
1.農村基本経営制度 2.農村土地管理制度 3.農業支持保護制度 4.現代農村金融制度 5.都市・農村経済社会発展一体化促進制度 6.農村民主管理制度
また第4章では、農業の近代化による生産力向上を目指す施策として7つを挙げています。

1.食糧の確保 2.農業構造の戦略的調整 3.農業の技術革新 4.農業インフラ建設の強化5.農業に対する社会的サポートシステムの確立 6.持続可能な発展の促進 7.農業の対外開放の拡大
更に第5章では農村における公共事業の強化項目として8項目を掲げています。
1.農村文化の発展 2.農村教育事業を強力に推進 3.農村医療衛生事業の発展を促進 4.農村の社会保障システムの健全化 5.農村のインフラ・環境建設の強化 6. 農村貧困対策の推進 7.農村防災能力の強化 8.農村の社会管理の強化
第3章第一項の農村基本経営制度の問題についてまず過去の政策を辿って見てみましょう(人民日報2008、10.22付<政策解読欄>参照)。1978年の改革開放政策スタート後、82年に<全国農村工作会議紀要>が出され、まず、“包産到戸”“包幹到戸”が社会主義経済における責任制として市民権を付与されました。その後、83年の<当面の農村経済政策の若干の問題>では、それまでの“政社合一”から、人民公社が行政制度と分離されることになり、93年の憲法修正案では農家生産請負制に法的裏づけが与えられ、同年、15年間の耕地請負期間満期後、更に30年保障されることが決まりました。98年の15期3中全会<農業と農村工作の若干の重大問題に関する決定>で、農家生産請負制に集団統一経営(生産や資産に関するサポートと共同管理など)を組み合わせた“統分結合”という二重経営システムを中国農村の基本制度として長期的に維持することが確認されましたが、この点は今回の<決定>でもその継承が全面的に謳われています。
こうした中、農村における土地制度や新しい合作組織について様々な重要な動きが見られますが、それらの動向についてはまた次回に。

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