企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

LastUpdate:

 第375回鉄道整備最新の実績と今後の計画−その3−

(2009年5月11日)

 ★華東地域:山東半島では、中国初の旅客輸送専用線、胶済線が7月に営業を開始しました。省都済南から半島を東に伸びるこの線は青島に2時間で到達、成長著しい山東省東部の新たな起爆剤になるでしょう。特筆されるのは2008年4月着工の京滬高速鉄道。工期は5年で設計時速350キロ、北京と上海を5時間で結びます。長江デルタでは、東西の大動脈になる滬漢蓉(上海−武漢−成都)高速鉄道の重要な一部、合寧線(合肥−南京)が同じ4月に開通、12月には時速350キロで南京−杭州を1時間で結ぶ新たな高速線や、3分に1本が運行する杭州−寧波間の新線も着工しました。
 ★海峡西岸地域:京滬高速鉄道の安徽省蚌埠駅から合肥・黄山・武夷山を経て福建省の福州に至る高速鉄道が2010年に着工されることになりました。2009年3月、鉄道部と福建省は<海峡西岸経済区新規鉄道建設に関する会議紀要>に調印、同地区に4800キロの一流鉄道網を建設することになりましたが、これには昆明−厦門、杭州−広州の高速線建設も含まれています。既に2008年6月には浙江省と福建省を初めて結ぶ温州−福州間が開通、11月には福州−厦門間も開通し、厦門と深圳を鉄道も2008年1月に既に建設が始まっており、長江デルタ−海峡西岸経済区−珠江デルタを結ぶ大動脈が次第に姿を現し始めています。
 ★珠江デルタ以南地域:2015年完成を目指して2009年末に広州−深圳−香港を結ぶ高速鉄道が着工されることになりました。広州と広西チワン族自治区の南寧を結ぶ南広鉄道の建設も2008年11月に着工され、また、同区では、南寧と昆明を結ぶ南昆新線、広西沿海鉄道の建設も承認されています。貴州省は貴陽を中心に東は長沙と結んで長江デルタに接触、北は重慶と結んで更に蘭州へと黄河中流域に接続、西北は成都と結びユーラシアンランドブリッジへ連なり、西は昆明と結んでグレーターメコン経済圏に繋がり、南は南寧から北部湾経済圏そして海のASEANへと連なり、東南は広州と結んで珠江デルタを睨む大パノラマ計画をスタートさせました。
 ★西部地区:2008年には重慶−蘭州を結ぶ蘭渝鉄道が、2009年2月には成都−蘭州間の成蘭鉄道も着工しています。この他、新疆でも喀什−和田間の鉄道の着工を始め鉄道の建設拡充ラッシュが続いており、今後、西部地区の交通インフラ整備が脚光を浴びそうです。

三瀦先生のコラム