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 第386回2009年前半の自動車業界−その1−

(2009年7月27日)

世界的な金融危機の影響を受けて、2008年後半に急速な落ち込みを見せた中国の自動車産業は2009年に入って上昇に転じ、衰えを見せていません。中国自動車工業協会によれば、上半期の生産台数は前年の599.08万台を15.22%上回り、販売台数は、前年同期比17.69%増の609.88万台(乗用車:25.62%増、453万台、商用車:0.52%減、157万台)で、このまま行けば、年間で1100万台を突破しそうだ、と予想してます。この勢いはどうやってもたらされたものか、その内容と問題点、変化の兆し、今後の動向を探ってみましょう。
2008年の中国自動車販売台数は結局1000万台を突破できず、GDP増加率をも下回り、前年比8%増の940万台に止まりました。自動車産業は既に中国経済の重要な柱になっており、2007年の統計によれば、就業者291万人、関連産業就労者3000万人で、生産額はGDPの2.31%を占め、自動車産業の不振は経済全体に大きな影響を及ぼします。上海自動車トップの胡茂元氏は年初この数字を分析し、南方自動車市場のダメージは北方より大きく、東部のダメージは西方より大きく、大型車のダメージは小型車より大きいことをあげ、自動車企業は、一級市場から二・三級市場に目を向け、北部、西部、小型車市場に重点をシフトしつつ、新エネルギー車の開発にも力を入れるべきだ、と分析しました。
こうした状況に対し、国務院は、2009年1月14日、<自動車産業調整振興プラン>を承認、八大目標として年間生産台数1000万台突破、今後3年間の平均成長率10%、1.5リットル以下の乗用車シェア40%以上、生産販売台数の90%以上を占める企業の数を現在の14社から10社以内に、自主ブランド乗用車の国内シェア40%、新エネルギー車生産能力50万台などを掲げました。
また、消費市場の育成、自動車業界の再編、企業の自主革新と技術改造のサポート、新エネルギー自動車戦略の実施、自主ブランド開発の強化、部品輸出基地の建設促進、自動車サービス業の発展、自動車ローンの完備などの八大重大任務も提示しました。
特に消費市場の育成については、消費を喚起する第一弾として2009年1月20日〜12月31日の期間、1.6リットル以下の乗用車の購入税を従来の10%から5%に半減させることを盛り込みました。

三瀦先生のコラム