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 第392回食品問題、その後の取り組み—その2—

(2009年9月15日)

農業部が品質安全活動を開始した七つの領域とは、栽培生産物・生鮮乳・飼料・獣医薬とその残留・水産品・三品(無公害農産物・緑色農産物・有機食品)・インチキ農業資材特別取り締まり活動を指します。こういった動きは、従来の「食品の衛生」中心から「食品の安全」中心へと取り組み姿勢を改め、食物生産の現場、つまり田畑や家畜の飼料などをしっかり管理しようという“抓源頭”の動きを如実に物語っています。
2009年2月28日、<食品安全法>が全人代常務委員会を通過、6月1日に施行されました。前述の如く、食品添加剤の使用については厳しい規制が加えられ、包装上に使用薬剤とその分量を明記することが求められ、また、全ての食品が例外なく検査を受けること、食品が安全基準に満たないことが判明した場合、製品を回収することが義務付けられ、消費者の権益が侵された場合は、経営者に対し10倍の賠償請求が出来るようになりました。
<食品安全法>では、政府の組織別責任分担も明確にされました。国務院に食品安全委員会が設けられ、食品安全の監督管理を総攬し、同衛生行政部門は、食品の安全評価・基準、安全情報等に責任を持つとともに重大事故を取り調べ、農業部門は食料品原料生産の安全管理を行い、品質監督部門は食料品加工プロセスを監督、工商部門は食品の流通過程を監督し、食品薬品管理部門は飲食サービス部門を監督する、といった具合です。これに即応し、国家工商局は早くも3月に市場への参入許可制度や見回りチェック制度・市場退出制度を含めた6つの制度を、その後更に詳細な<食品流通許可証管理規則><流通プロセス食品安全監督管理規則>打ち出し、食品薬品監督管理局は6月1日から従来の<衛生許可証>の代わる<飲食サービス許可証>を発行、同日、上海では7軒に許可証が公布されました。
2009年7月8日、<食品安全法実施条例>が国務院常務会議を通過しました。今後に大きな期待がかかるわけですが、食品の安全に関する最近の投書に見られる「食品を入れる箱は80%がもぐり生産で多くが有害物質を含むノリを使っている」、「レストランの食器類は高熱殺菌が行われておらず、合格率は51.11%」、といった事態にどう対処するか、農村における劣悪な食品の横行に対し、政府が掲げる「年内に全国各農村の最低限一軒の食品安全モデル店を」という目標が達成されるか、国民はその実効性を固唾を呑んで見守っています

三瀦先生のコラム