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 第442回労働者の給与−その2−農民工の問題

(2010年10月12日)

国家統計局が発表した2009年の『農民工観測調査報告』によると、農民工の総数は全国で2億2978万人に達しています。特徴的なのは若い世代の増加で、その数は1億人を超え、高卒以上の学歴保有者も増加していますが、悩みの種は半数以上の51.1%が技能訓練を受けていないこと。39.1%が製造業に、17.3%が建築業に就いていますが、単純作業が多く、月平均収入は1417元ほどです。また、依然として労働契約を結んでいない、社会保険に参加していない、と言う農民工も多く、多くが不利な立場に置かれ、それを良い事に企業側も「休日は3倍の賃金」などといった法規をほとんど守っていません。平均労働時間は週58.2時間ですが、収入を増やそうとすればやはりまだ残業に励まざるを得ません。
しかし、若い世代は今まさに結婚、育児期に突入しつつあり、このままでは住居費・教育費などを始めとする生活費の不足は目に見えています。消費観念が親の世代とは大きく異なり、携帯を持ち、ファッションに興味を覚え、カードを手に都会的消費習慣に染まっていく若者たちの生活の安定をどう実現するかは、これからの社会の安定に深く関わってきます。
新しい傾向も出現しています。農民工が東部地区から中西部地区へ流れ始めたのです。省外に出稼ぎに行く数も減り始めました。
東部地区で働く外部農民工:約9000万人(前年比 8.9%減)
中部地区で働く外部農民工:約2480万人(前年比33.2%増)
西部地区で働く外部農民工:約2940万人(前年比20.2%増)
参考:長江デルタ2.4%減、珠江デルタ7.6%減→経済発達地域で数十万人不足)
これらの動きの中で、2004年から始まった最低賃金制を軸にした改善が各地で進められています。最低賃金の目安は国際的には現地のGDPの58%。しかし、中国はいまだ25%という低率で、その上、最低賃金の中に食費や福利厚生費が含まれていることもしばしば。適切な採点賃金決定メカニズムを早急に構築する必要性が叫ばれています。
2010年は、1月に江蘇省が最初に最低賃金を引き上げたのを皮切りに、北京・重慶・広州などがこれに続き、江蘇省も1類地区は960元に、2類地区は790元に、3類地区は670元に引き上げ、天津も4月に920元に引き上げました。今後の経済への影響が注目されます。

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