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 第四十六回  上場企業−誠信-

 「WTO加盟で、中国金融界は、信頼できる企業管理体制を確立した者が勝者にな るという、管理競争の時代に入った」。「証券市場が経済発展の中で果たす役割はま すます重要になる。上場企業の質を高め、企業統治システムを確立しなければならない」。
1990年に上海、深圳両証券取引所が開設されて以来12年、2002年4月現在で上場企業は 1175社、資金8101億元、投資家6700万(90%が一般投資家))に成長しました。その 一方、60%以上の株は流通せず、インサイダ−取引や不当な価格操作、偽情報の流布 など悪質な金融犯罪が蔓延、 "鄭百文" "猴王" "銀広夏" などの事件が相次ぎました。 証券市場は"両信"(投資者の信頼と市場の"誠信(誠実信頼)")、"三公"(公開、公正、公平)が最優先課題と、中国証券管理監督委員会は、2001年に<年度決算報告準 則>を改訂して報告項目を強化し、今年1月には、<上場企業企業統治準則>を公布、 上場企業(その多くが国有企業)に、一般投資家の信頼に応えその利益を守るよう、 また、董事会や董事には、"誠信"第一に、真剣に職責を果たすよう求めました。
金融犯罪取り締まり強化については、1997年の刑法改正に続いて、今年1月、最高人民 法院が<虚偽の陳述による証券市場民事権利侵害事件の受理関連問題についての通知 >を出し、投資者に損害賠償請求の道を開きました。7月中旬までに、全国で既に200 件あまりの訴えが受理されています。 政府は上場企業の制度状況を調査し、董事、監事、上場企業、仲介機構の"誠信"身上 書の作成を急ぐ一方、健全な機関投資家を育て、証券市場の企業統治へのチェック機 能を高めようともしています。新株発行が不正な蓄財に頻繁に利用された結果、新株 を発行すれば株価が大暴落するという現状には、投資家の信頼を回復すべく<上場企 業の新株発行をより規範化することに関する通知>を出し、発行資格を厳格にしまし た。上海、深圳両証券取引所では、情報の公正化と投資者の知る権利を強化するため、 上場企業の業績予告制度もスタ−トしています。
今年10月に第3回企業法律顧問資格試験が行われます。政府は2005年までに、国の重点 企業の8割が企業法律顧問制度を確立できるよう、その導入実験に取り組み始めました。

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