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 第461回行政の横暴−その1−

(2011年4月4日)

地域格差や貧富の格差など様々な問題を抱えている中国、官の怠慢、腐敗、横暴が原因で多発する民衆の抗議行動は要注意。官の問題事例を2010年度の人民日報の報道から。
例1:江蘇省南通市で、道路上に建材が落ちていて、市民が都市管理、都市建設、環境衛生など各役所に通報したがいずれも管轄外と拒絶、4日間ほったらかし、市民が自腹で処理。
例2:陝西省華県では、秦嶺山脈の採石場跡を隠すため、国土局が露出した山肌にペンキを塗って緑化対策を行った。
例3:浙江省竜泉市は、国の耕地確保の指令を達成するために木々を切り倒して耕地にならない山頂を切り開き、あまつさえ、その過程で懐を肥やしていた。
例4:吉林省長春市公安局は、ノートパソコンを1台3万元(40万円近く)で購入、雲南省昆明市も市場価格の倍でパソコンを購入していた。
例5:湖南省品質技術監督局は、記者の事件取材に対し『ニュースメディア取材申請表』の提出を要求、各事務部門の許可を得てから出ないと取材に応じない、とした。
例6:甘粛省蘭州市のある区の観光局長は、自動車で通行人をはね、キーを振り回しながら、「オレが誰だか知っているか!局長だぞ!」と脅した。
例7:江西省豊城市の衛生局幹部は洪水発生時に上海に観光に行って局長が免職になったが、彼はほどなく衛生局等委員会書記に“左遷?”された。
例8:ある市の副市長が取材に答えて言った。トップのサインが横書きならば「放っとけ」、縦書きならば「しっかりやれ」の意味だ。
例9:広西チワン族自治区桂林市某区接待員はトップのサインを真似て3年間で1235万元着服した。「トップのサインがあれば、申告した金額がそのまま貰える」とのこと。
例10:陝西省渭南市のある文化局事務室は職員数8人なのに帳簿上の給与所得者は70人近い。また、管轄内のインターネットカフェから毎月一軒当たり1000元の管理費を徴収。
例11:浙江省台州市国土資源局長の収賄事件の一審が仙居県人民裁判所で開廷したが、弁護人が「被告は正処級幹部であり、仙居県検察や裁判所が副処級幹部の分際で審判する資格はない」と主張した。

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