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 第464回人口問題最近の事情−その2-

(2011年4月25日)

中国の人口問題で今突出しているのが様々なアンバランスの問題。老齢化はその最たるものです。2009年の60歳以上の老人は1億6700万人、2015年には2億を突破し、2053年には4億3000万人に達し、10人の労働者が6人の老人を扶養しなければならなくなります。
性別比のアンバランスも猶予なりません。2009年の出生した新生児の男女の性別比は119.45:100で、正常範囲と言われる103〜107:100を遥かにオーバーしています。中国社会科学院の『2010年社会青書』では「2020年には結婚適齢期の男性は同様の女性を2400万人上回る」とも。違法な超音波検査で女児と分かれば堕胎してしまう風潮の蔓延が大きな原因になっています。
地域分布のアンバランスも大きな問題です。現在、全国の流動人口は2億人以上、都市化率が46%を超えた今、多くが大都市へ押し寄せ、社会保障(住宅・医療・教育・老後など)上の様々な問題を惹き起こしています。地方の都市化を進めて小都市に途中下車させたり、農村そのものを都市化してそこに定住させる、あるいは、豊かで農村独自の良さを持つ新農村建設を進めることも考えられています。
別の問題もあります。中国では、畸形児・障害児の出生率が毎年、全体の4〜6%(80万〜120万人)に達していますが、問題は年々その率が上昇している事です。原因は環境汚染や労災など様々考えられますが、はっきりした事は分かりません。こう言った子供を抱える家庭は総じて貧困家庭で、収入は一般家庭の半分以下が大半です。
15歳以上の国民の平均教育年限が8.5年に達して9年制義務教育はほぼ浸透しましたし、貧困人口も30年前の2億5000万人から4000万人に減ったといわれますが、それだけに取り残された人たちへの一層のケアが望まれます。
2010年9月、国務院は詳細な『中国の人力資源状況』を発表し、また、2010年11月1日を標準時点とした全国一斉の国勢調査を実施しました。主な項目は、姓名・性別・年齢・民族・国籍・学歴・業種・職業・移動状況・社会保障・婚姻・子供・死亡・住宅などで、今回の国勢調査は中国に在住している外国人も対象としています。

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