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 第四十八回  民工事情その2

 昨年10月、<外出外来労働者への料金徴収を全面的に一掃整理することについての国家計画委員会、財政部の通知>が出されました。2002年末までに、一時居住費、一時居住人口管理費、計画出産管理費、都市景観整備費費、労働力調節費など7項目の料金徴収を撤廃するよう求めたものです。
 しかし、これで大きく前進、と素直に喜べないのが現状の厳しさ。すぐさま、名目を変えたり、他の項目に含めたりする手口が目につき始めました。6/4の人民日報では、パ−トタイマ−をしている安徽省出身のある農民の事例が紹介されています。「もともと、一時居住費が1年に188元。それが取り消されて就業証に替わり、100元あまり。衛生費が1年に60元、健康証は身体検査を受けなければもらえず、その費用が数十元。結局、新しく増えた分と取り消しになった分がほぼ同じで何も変わらない。」「身分証、結婚証、流動人口証、何も減っちゃいない。今年、結婚証を更新しなければならなかったが、指定された場所に行って2人で一緒に写さねばならない。その費用が8元で、新発行手数料が10元。」
 「もう40歳なのに一年に4回計画出産検査を受けねばならず、そのうち1回は本籍地に帰って受けなければならない。毎回の検査は30〜40元…。」
 <通知>がしっかり守られれば、出稼ぎ労働者からの不法な料金徴収を年間1人当たり50元近く減らせるとも。政府は「当該罰則(国務院令代81号)に照らし、違反者は厳しく取り締まる」、としていますが、尻抜けにならないよう、十分な注意が必要でしょう。
 出稼ぎ労働者のもう1つの問題が子弟の教育。240万〜360万といわれるこれら学齢児童に9年間の義務教育をしっかり受けさせようと、さまざまな試みが行われています。
 先頃、北京市は<流動人口中の適齢児童に義務教育を実施する暫定方法>を打ち出しました。父母が北京で半年以上居住し一時居住証を取得している、6歳から5歳の児童が対象になります。北京には現在、出稼ぎ労働者が自主運営する学校が123箇所、児童数は1.7万人に上りますが、設備、内容とも貧弱で、市は指定された公立校への受け入れを促進しようと、整備に取り組んでいます。

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