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 第五十二回  中国の対外進出

 WTO加盟で大きく開かれようようとしている中国市場に、多くの外国企業が殺到していますが、中国企業にとっても世界の市場に打って出るチャンス到来です。“走出去”(打って出よう)は今、誰もが口にする合言葉。その先兵となったのが、中国家電の雄、ハイアル。1999年、ハイアルは、設計、製造、販売の三位一体を旗印に、アメリカ、カリフォルニア州に3000万ドルをかけて工場を建設しました。“ハイアル文化”と自称する独自の企業文化を柱に いち早く現地に溶け込み、快調にマ−ケットを拡大、現在、小型冷蔵庫のアメリカ市場占有率は20%を超え、アメリカ10大チェ−ンストアの8社がハイアル製品を置くようになりました。
 2001年末時点で、海外に打って出た中国企業は6600社。投資地域も従来の香港、マカオ、北米から、ヨ−ロッパ、オセアニア、ラテンアメリカなどへと広がりを見せ、進出企業では、浙江省の“万向”のような優良民営企業が重要な位置を占め始めました。
今年、ラスベガスで、世界の家電メ−カ−1800社が集まって、展覧会が開催され、10万人の人出がありました。中国からは、“ハイアル” “康佳” “長虹”“TCL” “海信” “創維”など60社が参加しました。また、上海市は既にイタリアのロ−マ、ロシアのペテルブルグに上海商品貿易センタ−を設立、更に、一部の上海企業は、世界の先進技術を吸収するための設計、研究、開発 機構を北米やヨ−ロッパに設立しています。
 “華竜集団”が今年、民営企業として初めて日本に独自の研究機関を開設したように、わが日本も決して対象外ではありません。ご存知のようにハイアルの日本進出はもうとっくに始まっているのです。
最後に一つ、違った意味での海外進出の話題を。今年3月、中国共産主義青年団と中国青年ボランティア協会による中国青年ボランティア海外協力計画(つまり、日本の海外青年協力隊)がスタ−トし、ラオスでのボランティア隊員の募集が始まりました。募集人員は5名。ビエンチャン周辺の地区で、語学教育、パソコンの指導、医療衛生サ−ビスなどを行います。中国文化を世界に送り出そうという、“送去主義”も提唱されていますが、今後の中国の、世界に対する多方面にわたる貢献に期待しましょう。

三瀦先生のコラム