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 第555回湖北・湖南両省の発展−その1−

(2013年02月04日)

「多くの省と接し、それらを繋ぐ要衝として“九省通衢”と呼ばれていた湖北省が“九州通衢”になりつつある」とは最近よく見る言い回し。2012年5月に湖南省の長沙で開催された第7回中部投資博覧会に出席した王岐山副首相は「中部6省(山西・河南・安徽・湖北・江西・湖南)は人口が全国の4分の1、経済総量は5分の1を占める」「中部地区の現代化なくして全中国の現代化はない」「環長株潭都市群、太原都市群、皖江都市ベルト、翻陽湖生態経済区、中原経済区、武漢都市圏の発展を引き続き推進する」と表明しました。
同年7月に開催された国務院常務会議では、地域発展の重点地区として、 隴海線沿線、京広線沿線、京九線沿線、長江沿い経済ベルトの地域発展の加速、山西中南部、安徽北部、江西南部、湖南南部の開発開放の推進をうたいつつ、<中部地区振興戦略を極力実施促進することに関する若干の意見>を国家の重要戦略として正式に採択しました。
湖北省は“ 承東啓西”“聯南通北” という言葉通り、中国の立体交差点に当たります。鉄道網の発展で、武漢と広州・南京・鄭州はすでに3時間交通圏を形成しつつあり、高速道路も第11次5か年計画終了年の2010年には全国6位にまで躍進していました。水運でも、武漢港を中心に鄂州・黃岡・咸寧など27の港湾で形成された武漢新港は河岸線が548.2kmにも達し、同じ2010年には年間吞吐量が長江中上流の港で初めて1億トンを突破しました。現第12次5か年計画では、東京・大阪・ソウル・シンガポール・ジャカルタなどに常時万トンクラスの貨物船を直通させることも計画されています。
こうした動きを背景に、すでに2011年12月、安徽・湖南・江西・湖北省の代表が武漢で会合を開き、行政区画を超えて中部としての意識を高め、実際の行動でその省壁を取り払い、長江中流都市群総合交通運輸体系を建設する協議を行いました。中国の第4極を目指すという、武漢都市圏・長株潭都市群・翻陽湖生態都市群を含む“長江中流都市群”という新しい概念は大いに共感を呼び、その核心となる武漢・長沙・南昌は“中三角”と呼ばれるようになりました。この3都市は鉄道の整備が進むにつれ、間もなく1時間半経済圏を形成するでしょう。年を超えた2012年2月には、共同で<長江中流都市群商務発展武漢宣言>も採択され、対外貿易・対外投資・流通など多くの分野での一体化が進められることになりました。

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