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 第560回最近の高速道路整備状況

(2013年03月11日)

1990年代前半の“三沿開放”(海・沿江・沿辺)に継ぐ地域発展戦略の切り札として重点が置かれたのが道路建設。90年代後半、高速道路建設が本格的にスタートし、以後、平均年3000キロ建設され、2012年末には前年比で12409キロも増加し、97355キロに達しました。
 各一級行政区は中西部地区を中心にここ数年、域内構想道路の整備に余念がありません。例えば2012年、中部地域の湖南省は全国一、二を争う高速道路建設市場になり、50近いプロジェクト、3800キロを超える建設計画が進め、中原経済圏の建設に邁進する河南省も2013年に226億元を投じて域内各地を結ぶ高速道路の建設を進めています。
西部地区も負けてはいません。1990年、四川省成都とつなぐ成渝高速道路の着工で始まった重慶市の高速道路建設は、2010年には100平方キロあたり2046キロメートルと、西部地区では最高密度に達し、2000キロ近い“二環八射”高速道路網が形成され、第12次5カ年計画中には更に1000キロ建設して“三環十射三聯線”とする計画です。一方、四川省は2011年に交通インフラ建設費用が一級行政区で初めて1000億元を突破、2012年には完成済みと着工中を合わせた高速道路の総延長が6500キロ余りと全国2位になりました。四川盆地に囲まれ「蜀道難」で有名だった別天地も、四通八達の高速道路で各地と結ばれつつあります。陝西省も急速に伸びています。2012年9月26日付人民日報には「陝西省の高速道路4000キロ突破」を祝う記事が大きく掲載されました。開通済みの距離としては西部地区第一位です。
こうした動きはさらに西部に広がっています。チベット自治区では2010年までにすべての郷鎮、80%以上の村を自動車道路がカバーしましたが、高速道路の整備も進められ、第12次5カ年計画末には主要都市を4時間経済圏に組み込む目標が立てられています。また、新疆ウイグル自治区は2013年に400億元を投じ、2635キロの高速道路と幹線道路3118キロを完成する予定で、更に新疆-青海ルートや北京−ウルムチ高速道路の建設も推進中です。
政府の<西部大開発戦略公路水路交通運輸発展プラン実施綱要(2010-2020)>によれば、2015年までに西部地区の高速道路を3.6万キロに倍増させ、骨格となる幹線道路の高速化をほぼ完成させる予定で、全国の高速道路は10.8万キロに達し、人口20万人以上の都市の90%以上を網羅すると言われています。

三瀦先生のコラム