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 第579回国務院の新機構改革

(2013年07月22日)

国務院の主要機構のうち、“部”は行政管理部門、“委”は総合的な役割を果たす委員会、“行”は中国人民銀行を指します。“署”・“办”(「弁公庁」「弁公室」)・“局”・“总局”(「総局」)は国務院直属または各主要機構直属機関の名称です。長期に渡り行政改革と言えば機構改革のことで、主要機構は1982年に52あったのが、2013年春には25に統合されましたが、同年2月の18期2中全会で採択された<国務院機構改革と役割転換方案(草案)>では、2008年2月の<17期2中全会>で採択された<行政管理体制改革の深化に関する意見>の「政府の役割の転換こそが行政改革の神髄だ」と言う考えに沿い、“向市场放权、向社会放权、向地方放权”「市場に権限を、社会に権限を、地方に権限を」というスローガンを打ち出しました。高小平中国行政管理学会副会長によれば、それは従来の“物理的調整”から“化学的調整”への変化を意味し、“放权”とは“政企分开”“政资分开”“政社分开”により政府が経済建設型政府から公共サービス型政府に転換することなのです(人民日報2013.3.1)。
その後、3月10日から全人代で本格的な討議が行われ、同日の人民日報は大幅に紙面を割いて関係記事を多数掲載しました。そこには解決すべき4つの課題として、①政府と市場の関係及び政府と社会の関係 ②国務院各部門が広く細かく介入し過ぎる ③職務権限の重複・責任逃れ・なすり合い ④マクロ的視野の欠如 が挙げられ、重要改革として、①一層市場の手に委ねる:投資項目の許認可、生産経営活動の許認可、資質資格の許可、行政事業費用徴収の削減(“四个减少”)。工商登記制度の段階的改革 ②民間パワーの活用:業界組織や商会と政府の分離。業界組織と商会類、科学技術類、公益慈善類、都市農村社区サービス類は民生部門に直接登録申請できる ③地方の積極性を発揮:投資・生産経営活動許認可権の下放 といった点が列挙されました。
一方、今回の改革で行われた機構改革としては、まず第一に、独立王国として汚職の巣となっていた鉄道部にメスが入り、鉄道発展プランや政策立案は交通運輸部に託し、その他の行政職務は同省に鉄道局を移管、また、中国鉄路公司を設立して企業業務を担当させることになりました。その他、既存組織を統廃合し、国家食品薬品監督管理総局・国家海洋局・国家新聞出版広播電影電視総局・国家能源局なども設立されています。

三瀦先生のコラム