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 第592回 考古学この1年

(2013年10月21日)

2013年4月9日、恒例の十大考古新発見が発表されました。中でも注目されたのが陝西省神木石峁遺跡で、城内面積が400万㎡に達し、竜山期から夏代にかけての最大の城址とのこと。24の頭骨と共に玉器数千点が出土し、壁画も残存していました。
2012年に大きく取り上げられたのが、200万年前に河北省泥河湾村に人類が生活していた、という話題。泥河湾は単一の遺跡ではなく、数十か所の旧石器時代の遺跡群で構成されており、旧石器時代早期から晩期、200万年前、170万年前、100万年前、10万年前、1万年前と広く網羅して、世界でも類を見ない旧石器時代遺跡群となっています。研究の進展によっては人類のアフリカ起源説に疑問を投げかける可能性さえありますが、これまでのところ、猿人の化石は発見されていません。この泥河湾東方人類探源プロジェクトは、2013年6月から3課題11テーマを設定し正式にスタート、馬圏溝・侯家窯遺跡を中心に早期直立猿人の起源や現代の人類の起源を研究することになりました。
ここ1年間のその他の主な発見を列挙しましょう。四川省西南部昭覚県では、古代肉食恐竜が泳げたことを示す足跡の化石が発見されました。アジアでは初めての発見、世界でも数例とのこと。また、雲南省楚雄州禄豊県では、恐竜の胚胎化石としてはこれまでを500万年遡る1億9500万年前の化石が発見されました。
考古学界を興奮させたのが、2003年から2006年に発掘された浙江省平湖庄橋墳遺跡で出土した240あまりの器物から発見された約5000年前の良渚原始文字。浅く刻まれていたため発見が遅れました。これまでも、5000年〜8000年前のいくつかの遺跡で文字を疑われる痕跡は発見されていますが、今回の発見は6個が配列され、刻字方法や筆順もほぼ一致、繰り返し使われているものもあるところから、文字の可能性が高い、と鑑定されています。
内モンゴル自治区赤峰市敖漢旗興隆溝遺跡から2012年に一体の陶塑人形が出土しました。約5300年前のもので、高さ55cm、紅山文化晩期の巫者か王者の姿をかたどったものと推測されています。2013年7月には湖北省随州の葉家山西周墓葬群から19の鼎と12の簋が出土、周の天子でさえ九鼎八簋と厳密に決められていたことから、その礼制が確立される前の周代早期のものと注目されています。

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