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 第601回 18期3中全会-その2-市場化他

(2014年01月06日)

第三章では、現代的市場システム確立のスピードアップを掲げました。
その冒頭では、統一された開放的な市場システム、秩序だった競争原理に基づく市場システムの確立が掲げられ、企業の自主的経営と公平な競争、消費者の自由な選択と自主的消費、商品などの自由な流動と平等な交換の必要性が確認され、市場障壁の排除と資源の効果的な配置に努めることも明記されました。公平な市場規則の確立という点では、地方の保護主義、独占や不当な競争に反対し、信用システムを確立すると同時に、健全な市場からの退出メカニズムや企業破産制度の確立も謳っています。また、水・石油・天然ガス・電力・交通・電信など、ともすればこれまで一部国有企業の独占寡占による価格設定が物議を醸した分野に競争原理を導入し、政府による価格決定分野を極力限定する方針も明示されました。
懸案の都市と農村の格差是正問題にも多くのスペースが割かれました。第六章では新型“工農城郷”関係(工業が農業を後押しし、都市が農村を牽引し、工業と農業の互恵関係と都市と農村の一体化)の確立を標榜しています。様々な経営スタイルが併存する農業経営方式の確立と土地制度の改革による土地の請負経営権及びその流動性の保証により農業生産の産業化を推進する、といった方向性も示されました。また、農業保険制度の整備や民間資本の農業建設に対する投資も奨励されました。
最大の懸案事項だった農村戸籍の問題でも新しい方針が打ち出されました。第23項では、建制鎮(行政区画としての鎮)と小都市の戸籍取得制限を全面的に撤廃、中都市では制限を順を追って撤廃、大都市では戸籍取得条件を合理的に確定、巨大都市では厳しく規制、という方針を打ち出しました。それとともに都市で戸籍を獲得した農民は完全に都市の住宅システムと社会保障システムに組み入れられ、農村での養老保険や医療保険を都市での社会保障システムに接続できるよう着実に推進していくことも記されました。
第一二章では人口問題の改革が取り上げられ、第46項<医薬衛生体制改革の深化>で「一方の親が一人っ子の場合二人生んでよい」事が認められました。2002年から認められていた両親が一人っ子の場合は二人まで、という基準の緩和で、2012年から労働人口(15〜59歳)が減少に転じたことを踏まえての措置と言えましょう。 

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