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 第604回 医療保険改革

(2014年01月27日)

2013年1月、政府各部門は年間政策目標の一つとして、住民医療保険への財政補助額と個人保険料を適度に引上げ、基本医療保険の補償レベルを着実に向上させる方針を打ち出し、3月には都市住民医療保険と新型農村合作医療政府補助基準を一人240元から280元に引き上げる方針を発表しました。
中国の新規医療改革は2009年にスタート、目下、都市部従業者医療保険・都市部住民基本医療保険・新型農村合作医療保険の3つで国民13億の95%を網羅していますが、医療体制から見ると、衛生施設や人員などの不足、医療の質、地域格差は厳然として存在しており、いまだ低水準の基本医療保険、末端医療の不備、医薬品の流通問題やコスト高及び基本薬物制度の運営上の問題、公立病院の改革など難問が山積しています。
これらの問題を抜本的に解決するため、政府は2013年3月に<国務院の機構改革と職能転換プラン>を発表し、上記3医療保険の管理を6月末までに一元化する方針を打ち出しました。その理由は、これらの保険が様々に重複し、混乱と無駄を助長していたからです。例えば、都市部従業者医療保険と都市部住民基本医療保険は個人を対象としていますが、新型農村合作医療保険は家庭単位を対象とし、その狭間で2011年末には538.47万人が重複、7.92億元の過払いが生じていました。また、同一保険でも地域格差が明白に存在し、異なる保険間での補償額となると大きな格差があります。3保険の年度資金は計8000億元に達しますが、カバーする国民の70%が新型農村合作医療保険に加入している農民であるにもかかわらず、年度資金に占める割合は25%、2000億元しかないのです。
政府は、2015年には都市部住民基本医療保険と新型農村合作医療保険の補助基準を360元以上に引き上げ、3保険の入院費用の補助比率をすべて75%にするとともに、都市・農村住民の大病保険制度の推進と商業保険の積極的な導入も進めています。また、異郷に行っても保険が適用できる工夫も進められ、2013年8月現在では、全国86%の都市部従業者と83%の都市部住民が市レベルでの統合を享受していますし、新型農村合作医療保険では県レベルで統合が進められています。とはいえ、今後、管理の一元化においても、地域統合のさらなる拡大をする上でも、商業保険導入でも、そのプロセスには多くの関門が待ち構えています。

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