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 第611回 行政とネット

(2014年03月17日)

中国のインターネットユーザーは2012年半ばで5億3800万人に達し、毎年5000万人増加、ネットの利用は統治の維持において極めて重要な問題になり、人民日報にも2013年に<问政−看领导干部用网>(政治を問う-指導的幹部のネット利用)欄が設けられ、各地の幹部が入れ代わり執筆しました。2002年6月749件だった全国の政府系サイトは2012年10月には新浪の微博(ウェイボー:中国版Twitter)60064件、前年比41932件増(増加率231%)という急増ぶりで、同年の中国電子政務市場の規模は1390億元と報じられています。
中央省庁のサイト普及率は100%、地級・市級99%以上、区・県レベルでは85%に達し、地方レベルの利用可能率も93.9%に達したと発表されていますが、問題はほとんどが政府の情報公開に止まり、住民との双方向の交流は実現していません。クラウドやビッグデータがもてはやされる一方、各部門間の情報共有やサポートもなく、開店休業状態で、国連電子政務指標でも中国は2005年57位から2012年78位へと後退してしまいました。中国政府が全面的に情報公開を始めた2008年以来、そのコンセプトも、技術の伝播やコンテンツの伝達から最近の“北京服务您”のような住民サービス型へ変化しつつあり、携帯の普及もそれを後押ししていますが、サービス内容とネットユーザーの要求レベルには大きな隔たりがあります。
2013年5月、全国政務微信(中国版「LINE」)が1000件を突破しました。微博は情報を伝播させるのには有効ですが大衆は受け身です。その点、微信は大衆と一対一の関係で捕捉性が高くなります。同年9月、新浪と騰訊の政務微博数も24万3000に達し、10月には中央人民政府ポータルサイト官方微博・官方微信がオンラインしました。同月15日には<政府の情報公開をより一層強化し、社会の関心に応え、政府への信頼を高めることに関する国務院弁公庁の意見>を発して、微博や微信という新しいメディアを積極的に利用するよう指示しました。
<中国政府サイトインターネット影響力評価報告(2013)>によれば、現時点での満足度指数は百点満点中わずか50.90点に過ぎず、今後は“看得到,聽得懂,信得過”(見える、わかる、信じられる)が課題となっています。それには「知らせる」から「公開する、フィードバックする」へ、「一方通行」から「双方向」へという転換が必要ですし、何よりまず「的確性・有効性・持続性」が求められることは言うまでもありません。

三瀦先生のコラム