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 第615回 宇宙開発更なる発展

(2014年04月14日)

2012年7月の本コラム525号で宇宙開発事業について書きましたが、それから2年足らずの間に、中国の宇宙開発事業は更に高速の進化を続けています。
宇宙ステーション関係では、2013年6月11日、3人の宇宙飛行士を乗せた神舟10号が打ち上げられ、天宮1号と自動と主動によるドッキングにそれぞれ成功するなど技術の蓄積に努めていて、中国独自の宇宙ステーションを開発して、2020年頃に使用停止となる国際宇宙ステーションに取って代わる可能性が現実味を帯びています。
月面探査プロジェクトでは、2013年12月2日に嫦娥3号が打ち上げられ、6日には月を巡る軌道に乗り、14日には月の虹湾(虹の入江)への軟着陸に成功しました。ソ連、アメリカに継ぐ第3の軟着陸成功国になったわけです。その後、月面を探査する玉兎号が降り立ち、時速200mで月面を移動、3カ月にわたる様々な調査を開始しました。嫦娥から得られる様々な観測データを生かすため、既に2010年12月に国の863プロジェクトの重点項目として「月探査プロジェクト科学データの応用と研究」がスタートし、嫦娥1号のデータについては200篇近くの論文と34の特許が出されています。月面探査プロジェクトは今後、無人でサンプルを採取して帰還する第3段階に入り、2017年頃には嫦娥5号によりその任務を達成する予定が組まれています。
測位システムに関するプロジェクトも大きく発展しています。アメリカのGPS、ヨーロッパのガリレオ、ロシアのグロナスに対抗する北斗はすでに2012年末にアジア太平洋地域をカバーして稼働し、2020年には全世界をカバーする計画ですが、その民間での活用計画が精力的に進められています。2013年1月からは天津市や江蘇省など9つのモデル地域で10万台の車両に、また、漁業では4万艘の漁船に北斗の端末が装着され、6月には長江デルタで応用プロジェクトが、北京でも農業用機械への応用が始動、8月には河北省石家荘に北斗衛星ナビ製品検測機構が、12月には北京で北斗民用普及応用連盟が成立しました。こうした測位ビジネスは2020年には4000億元に達するとも試算されています。
このほか、資源3号・高分1号・災害観測用快舟1号など様々な衛星の打ち上げも相次いでいて、2016年の量子科学実験衛星打ち上げも報じられています。

三瀦先生のコラム