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 第616回 中台関係の正念場

(2014年04月21日)

2013年12月15日は、中台間に“三通”(通商・通航・通郵)が実現して5年目になりました。この間に中台間の交流は飛躍的な発展を遂げ、2013年も、まず1月に台湾海峡(福州-淡水)を結ぶ全長270キロの初の海底ケーブル“海峡1号”が開通したのを皮切りに、7月には中国政府交通運輸部が旅客・貨物に関する海上直行便を推進する11項目の政策を発表、大型観光船の往来のみならず、両岸の海上物流の大幅なレベルアップを図りました。これは物流コストの低減にも大いに寄与することでしょう。 
10月には高速貨客船“海峡号”が福建省の平潭と台湾の台北間に就航(所要時間2時間半)、毎週水土は台北間を、月火木金は台中間を往復することになりました。また、厦門から基隆・台中・高雄も結ばれ、計5本の定期貨客航路が開設されることになり、12月には「海峡大型定期船経済圏」構想も発表されています。毎週往復便が616便に達する航空運輸も、大陸側54ヶ所、台湾側10か所を結ぶまでになり、最近では上海-高雄430元と言う格安料金(春秋航空)も出現、福建省-台湾直行便の累計旅客数は12月に1000万人を突破しました。更に同月、台湾中華郵政は、中台間eパケット(2㎏以下)業務を開始しています。こ
う言った動きと連動して、ECFA(中台経済協力枠組み協定)を更に発展させるサービス貿易協定が同年6月に調印されましたが、今年になって、その批准をめぐって台湾では大学生が立法院を占拠する騒動が発生しました。国民党内の内紛がこれに拍車をかけたことで、協定の今後については予断を許しませんし、これが11月の統一地方選に及ぼす影響如何では、2013年7月の馬英九国民党主席再選に胸を撫で下ろし、一層の中台間緊密化を図る大陸側のシナリオに大きく水を差す事態も考えられます。
しかし、一方で台中間の経済交流はますます深化しており、既に台湾経済にとっては到底後退できるレベルを超えています。2013年11月には南京で両岸の企業家たちによる紫金山サミットが開催され、8項目の共同提案と24項目の協力備忘録・協定が取り交わされましたし、例えば江蘇省では昆山市の両岸産業協力深化試験区設置が2013年2月に国務院の認可を受け、鎮江市の鎮江新区には両岸新素材産業協力モデル地区が開設されるなど、各地で積極的な施策が展開され、また、大学や病院などの提携・交流も日増しに盛んになっています。

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